宮の華 誕生
伊良部島といえば多くの人のイメージではカツオとマグロの遠洋漁業の島。下地島パイロット訓練飛行場の島。
泡盛の酒造所・宮の華が宮古島でも広 く知られるようになったのはまだ40年くらいではないかと思う。
創業は今から68年前。1948年。
創業者は下地盛昆。城辺出身の盛昆は伊良部出身のメガと結婚して、平良に住んでいたが、メガの故郷である伊良部島に引っ越した。
伊良部島に来た当初は、台湾航路の乗組員になり、メガは雑貨屋「下地商店」を営んでいた。
その後、終戦になり仲間数人と酒屋を始めた。
その頃は、サトウキビも造り、黒砂糖も自分で造り、泡盛の原料もサトウキビだった。
米は貴重で高価なものだったので、泡盛に使うようになったのはずっとあとの話。
数人と始めた酒屋だったが、一人抜け二人抜けで結局盛昆一人が残った。
酒は造る量も少なく、量り売りの時代で島内で売る量しかなかった。
そのうち遠洋漁業で伊良部島の景気はどんどん良くなり、酒もよく売れるようになっていった。
子どもも次々生まれ、7人の子宝に恵まれた。(伊良部丸遭難事故で3人が亡くなった)
そして1948年、本格的に泡盛製造を始め「宮の華」酒造が誕生した。
その頃は4合瓶入りの泡盛のみを製造していた。