この本を読み、ひとつ、ほったらかしにしていた謎≠ェとけた。
レンタカーで、沖縄本島の国道58号線を北へ走る。と、猛烈に暑そうな車道の脇に、ポッと涼風が吹く瞬間がある。そこには青と白のパラソルが。いつも「あっ!」と思うのだが、結局走り過ぎてしまう。アイスクリーム屋らしいのだが、車を停めるのが億劫で素通りしてしまい、その味を試したことがなかった。にしても、この売り子の少女たちは、いったいどこからこの店ごとやってくるのだろうか。で、少々不思議に思ったその後に、とても暑そうなバイトだから私はしたくないな、とも思う。
池澤氏によれば、このパラソルの少女たちは、沖縄ビックアイスの「アイスクリン」を売っているのだそう。コーンの上に2すくい、さっぱりとしたアイスクリームが乗って、ひとつ150円だとか。しかも後になると、売り子の少女たちはみんな美少女に思えてくる、ともある。これは凄いアイスだ。
もちろん、少女たちがどこから来て、どんな風に店を出すのか、などの、青白パラソルにまつわる謎も、本書を読めば納得できる。
で、以来、相変わらずパラソルに立ち寄る勇気はでないのだけど、美少女を目視確認すべく目を皿のようにして横を通り過ぎている。
じつはこの本、日本トランスオーシャン航空機内誌『Coralway(コーラルウェイ)』の1993年1/2月号から2001年新北風号に掲載されたものをまとめたもの。池澤夏樹氏は、この連載を始めてまもなく沖縄に移住。現在は、フランスに住んでいる。
35ものオキナワンフードのエッセイが、垂水健吾氏の写真と共に収められたこの本は、ときにはぷっ≠ニ笑ったり、う〜む≠ニ考えさせられたり、あるいはごっくん≠ニ生唾を飲む、そんな時間をくれる。で、どうしても食べたくなったら、問合せもできるように連絡先の記載もあるのも、うれしい心配り。
そうそう最後にもうひとつ。このアイスクリーム売りのバイトの少女たちには、アイスクリーム食べ放題、という特典がついているのだそう。なるほど。だったら私もこのバイトやりたいな。・・・もう、少女ではないけれども。 (2005.9月掲載)
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