1938年〜1954年、ここ沖縄で戦前、戦後の貧しい時代に全島規模の密貿易が行われていた。その中で密貿易の沖縄の女王とまで言われた「なつこ」は何の目的で、密貿易に命をかけたのか?
「密貿易」今でこそその言葉を聞いただけで拒絶反応を示す人が多いと思うが、絶望的なほど食糧や物資が不足していた沖縄にとって、危険を顧みずに密貿易で沖縄に富と希望をもたらした「なつこ」は、救世主的存在だったのかもしれない。
この本を読んでいくうちに密貿易というダークな部分は色あせ「なつこ」の度胸と才覚だけしか見えてこない、不思議な感覚になる。
当時の資料が殆んど残されていない中、12年余の長い歳月を費やし編纂に成功した著者の功績は沖縄の歴史に残るものと言っても過言ではない。
また、私は、この本を読んだときにこの「万国津梁」と言う言葉を思い出した。
「万国津梁」、ちょっと異界の話しになりますが♪
「万国津梁(ばんこくしんりょう)」とは、今から500年前、東アジアの一大交易拠点として、栄えた琉球王国の王、尚泰久(しょうたいきゅう)が作らせた鐘に刻まれた銘文に由来する。
〜琉球の繁栄と近隣諸国との友好を謳い「万国を結ぶ掛け橋とならん」と刻んで、琉球が永遠に世界を結ぶ掛け橋となることを祈念したもの。
銅鐘は、首里城正殿前に掲げられ、繁栄と平和の象徴として、「万国津梁の鐘」と呼ばれるようになった。〜
希代の一時期を築いたのは、海洋性民族であり、琉球王朝時代の東アジアとの貿易を行っていた血が引き継がれたこともあるのではと思ってしまう。
沖縄に生まれ育った私にとっては、沖縄の歴史が勉強になっただけではなく、「なつこ」という素晴らしい女性に出会えた、一冊の本だ。
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