巻末の年譜をみると、明治36年(1903年)、山之口貘さんは、沖縄本島那覇市で生まれています。家は、300年も続く名家のひとつだったのだそう。20歳で上京。この日から16年間、詩を書きながら、ほとんど畳みの上で寝たことがないという、放浪生活を続けたのだそうです。でも、なぜ、名家の坊ちゃんが放浪生活を?この辺りも、本書を読み終わる頃には見えてくることでしょう。
ところで、本書と出会ったのは、沖縄本島の県庁前にある、「パレットくもじ」7Fにある書店。私は詩が、わりと好き。なので、沖縄にゆかりのある方ならば読んでみよう、と軽い気持ちで買いました。
ドキリとしたのは、13ページにある、〈いなかはどこだと/おともだちからきかれて /ミミコは返事にこまったと言うのだ〉から始まる、「桃の花」という詩。
私は、東京都の大学病院で生まれ、大分県で育ち、18からは東京で暮らし、近頃、沖縄県の石垣島へ引っ越しを。そして母は北九州出身で、父は大分出身。そして本籍地は、一度も住んだことがない他府県。で、どうも、全身がバラバラな感じがしてしようがありません。山之口貘さんが抱えていたこととはおよそ次元が違うのかもしれないけれども、だからかな、「桃の花」に魅かれたのは。
けれど、両親の出身地と自身の出身地が異なる方って、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
あなたにとって、ふるさと、はどこですか?
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