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たとえば布団のなかで、ひとり静かに読みたい、沖縄が香る版画絵本&詩集
 
溢れる色に身を投ずるボクネン版画絵本
 
紅逢黒逢の刻 名嘉睦稔

「紅逢黒逢の刻」
【第一話】人魚夜話
【第二話】蜘蛛の精
著:名嘉睦稔(なかぼくねん)/発行:マガジンハウス/価格4762円(こちらは2冊組価格)

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 石垣島の書店で見つけたものの、値が張るので、前を行ったり来たりウロウロしたあげく、本を手にとり、そして開き、パタリと閉じて、いざレジへ。

 著者は、伊是名島生まれの版画家、名嘉睦稔(なかぼくねん)氏。

 そもそも私は人魚≠ノ弱い。絵ハガキでも、本でも、アニメでも、人魚モノだとどうも魅かれてしまう。

 ことの発端は、大学時代、卒業論文のテーマにジュゴンを掲げ、八重山諸島をうろついたこと。沖縄でジュゴンは、モノを言う魚などとも言われ、人魚をほうふつさせる存在。とにもかくにもジュゴンを調べると、人魚がつきまとってくる。

 で、以来、どうも人魚が気になって仕方がないという次第。

 なので人魚夜話≠フタイトルは、猛烈に私を手招きした。本を開くと、そこには、画面からぶわっと溢れ出してきそうな色彩が散りばめられた、人魚の版画絵。で、ズギュンと胸を打ちぬかれて、お買い上げ。

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海の風景01
海の風景02

 ひとつ、誤解がなきよう書き添えておきましょう。版画絵本とありますが、版画に添えられている言葉は、大人が楽しめるもの。

 穏やかな気分の夜に、ゆったりと本を広げ、ゆっくりと文字を追い、版画を眺め、ふぅ〜っと深呼吸をして、(私は下戸だけれども飲める人なら)泡盛を一口。沖縄の風に吹かれ、波が砕ける音を聴き、葉のきらめきを眩しく思い、足の裏には砂粒を感じ、船の揺れを体におぼえ、海を泳ぐ。そうゆう感覚が呼び覚まされる、版画絵本。

 なお2冊組の、もう一冊は、よりにもよって、私がこの世で一番怖いと思う生き物、蜘蛛。なのだけれども、どうもこの版画絵本を読むと、蜘蛛が切なくてしようがないから、困ってしまう。

 共に、強い強い男女の愛の物語。

 やわらかな空気の春の夜に、窓を開け放し、風を感じながら、版画絵本を味わってみませんか?

 

(文・はるか)





  名嘉睦稔さんの公式ホームページ
http://www.bokunen.com/index_j.php
  伊是名村ホームページ
http://www.izena-okinawa.jp/


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