これは、日本画家の田中一村(たなかいっそん)さんが、千葉時代に記したある手紙のくだり。どうです? なかなか近づき難そうなオーラを醸し出している文面だとは、思われませんか。
だから、「田中一村さんと友達になりたい?」と訊かれたら、ちょっと考えこんでしまいます。そうしてしばらく考えてから、「晩年の田中一村さんとなら、ぜひ友人になりたいです」と答えると思うのです。だって、なにせ若い頃の田中一村さんは、言葉を選んで話をしないと、ひょんなことから、猛烈に怒り出しそうだから。
本書の巻末には年表がついています。それを見ると、一村さんは明治41年に、栃木県で生まれています。父は仏像彫刻家。4歳で東京の麹町に移住。以後25年間を東京で過ごします。大正15年には、東京美術学校(現、東京芸大)に入学。同期生には東山魁夷らがいました。しかし一村さんは、結核を再発。わずか3ヶ月で中退します。 |


本書では、一村さんが奄美大島でえがいたこれらの絵を観ることができます。 |