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毎年沖縄から出場するようになった都市対抗野球の予選、南九州大会。本大会は東京の後楽園球場で行なわれるが、だれも後楽園へ行こうなどとは思っていなかった。どうせ無理だ。内地には勝てない。終盤まで接戦でも1点取られたら意気消沈。やっぱりな。そんなあきらめムードがいつもチームに漂っていた。
コンプレックスで、敗れていたのかもしれない。それに気づいたのは、かなり時が過ぎ去ってからだった。
【いったい自分たちはどこの国に所属している人間なんだ】
日本人でもなければアメリカ人でもない。
九州遠征の際、本土へ上陸するときに入国手続きがあった。税関で渡航
証明書(パスポートの役割をもつ)を見せなくてはならない。
渡航証明書に書かれた国籍は『琉球』。いったい自分たちはどこの国に
所属している人間なんだ。と寂しさが襲う。
全幅の信頼を寄せていた親友から突然疎外されたような、とてつもない
孤独感が押し寄せてくる。
約20時間以上の船旅の距離以上に本土を遠く感じる瞬間だった。
国に属せない現状から来るコンプレックスが、あきらめに結びついていたのだった。
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