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島の心の在り様に触れて祭を何倍も楽しみたい!

もっと知りたいあの島を 〜竹富島〜

 
「竹富島文庫T 種子取祭」  狩俣恵一著

種子取祭必携本

「竹富島文庫T 種子取祭」

 

著者:狩俣恵一 /発行:遺産管理型NPO法人  たきどぅん
価格: 1000円

 種子取祭に参列した人が経験することは、心の底から湧き上がる感動と、参加した仲間との連帯感である。親から子へ、子から孫へと、先祖代々受け継いできた種子取祭のエネルギーが、我々を人間の歴史的共同体的な営みの輪の中に包み込んでくれるからである。そして、種子取祭の日は、竹富島全体が自然と人間の調和した劇場と化す。
 本書は、そのような種子取祭参加のためのハンドブックとして編んだ。また掲載した演目は、竹富島独自の伝統芸能と、毎年のように繰り返される演目を精選した。


                                         〜「はじめに」より抜粋〜

                     
  竹富島では毎年、ちょうど朝夕涼しくなる頃に、種子取祭(たねどりさい ※ここでは、本書に打たれたルビに従う)が行われます。  


 私がこの祭りに遭遇したのは、はじめての沖縄旅行のときのこと。石垣島でお世話になった民宿のおばさんに、「今日、ここにいるのに、竹富へ行って種子取祭を観ないのはバカよぉ〜」と言われ、なんだか良く分からないけれども行ってみようと思い、訪ねたのが最初。
             

 祭りといえば、金魚すくい、千本くじ、わた菓子、ところてんをまっさきに思い浮かべていた私は、この朝行われた、青空のもと芝の広場で舞う「庭の芸能」を目の当たりにして、もうどうしようもなく鳥肌がたって、涙がでそうになりました。


 以来、この祭祀を訪ねたのは今年でたぶん4回目。そして、年ごとに、なにかしら新たに感じることがあり心打たれ、変わらずやっぱり「庭の芸能」の初めでは涙がこぼれそうになります。たぶん、神への畏怖の念を抱き、真摯に舞う、そして皆が共に今日を迎えられたことに喜びを感じているその気配に、揺さぶられるのだと思います。


 種子取祭という文字をみて、種(作物)を収穫する感謝祭かな、と想像していたのですが実際は、畑に撒く種の無事の発芽を祈ること、が、この祭りの原点とのこと。土に撒いた種が発芽して、豊かな実りをもたらすことを願う、そうゆう祭り。


 ところで、種子取祭は600年の歴史を持つ、という説があるほどに歴史ある祭祀。そして、年22回(!)ある竹富島の祭祀のなかで、もっとも盛大に行われる行事でもあります。
 
 祭りは、なんと9日間にわたって行われます。いや実際には、祭りの3ヶ月前から真剣な練習が始まるのです。神様はありがたい存在であると同時に、恐れ多い存在。島の方に教えていただいたのですが、祭りの前には、「一生懸命練習を行い間違えることがないよう努めますが、万が一間違えたときにはどうかお許しください」と、神に祈るのだとか。

 9日間行われる種子取祭ですが、踊りや狂言などの奉納芸能が行われるのは、7日目と8日目の、2日間。そして奉納芸能には、「庭の芸能」と「舞台芸能」の2種類があります。              




種子取祭の様子










種子取祭の様子









種子取祭の様子




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 種子取祭の詳細は、紹介ページにリンクをはったのでそちらをご覧いただくとして、ここで、ようやく今回ご紹介する本の話に入りましょう。



 この本、厚さは6ミリ。そして、毎年恒例の踊りや狂言などのカラー写真が豊富に掲載。というわけでパラパラめくっていると演者のなかに、「あれ!この人はもしや焼き物屋の主人では」とか、「あら、民宿の女将さんだ!」などという具合に、旅で出会った人を見つけることができるのです。それだけでも親しみが湧く1冊なのですが、これがまた、読むと「へぇぇ〜〜〜」と思うことが多々あるのです。

 たとえば、「庭の芸能」で披露される腕棒(ウディボー)。これは、白い鉢巻を巻いた着物にハダシ姿の女性たちが、空手の所作をとりいれながら戦う、毎年笑いを誘う演目。じつはこの演目は、昔は、男性が演じていたとのこと。・・・知らなかった。こんなエピソードを知ることができるのも、この本の魅力。

 それから、「舞台芸能」に、琉装姿の女性ふたりが舞う「元タラクジ」という、しっとりとしたうつくしい踊りがあります。常宿の女将さんが舞うことからも、親しみをもって観ていたこの踊り、じつは、とっても理不尽な哀しい物語から生まれた舞いであることを知ったのも、この本を手にした今回のこと。さらに、この髪型に深い意味があることに驚いたりも。


 こんな具合に、手軽な解説書(実際とっても軽いしコンパクト♪)として本書を「種子取祭」に携えて行けば、何倍も楽しめる、そんな1冊なのです。

 巻末には、2015年までの「奉納芸能」予定日表が添えられています。さらに本の前半には、「奉納芸能」が行われる2日間のスケジュールも掲載。何時にどこで、どんな祭祀が行われるかだってわかるのです。


 なお、「種子取祭」は、国の重要無形民俗文化財に指定されている祭祀。


 竹富島の心の在り様に興味のある方は、ぜひこの本を片手に、祭りの島を訪ねてみてください。

 余談ですが、「種子取祭」の日は水牛車観光は、お休み。なぜなら、皆、祭りに参加しているから!

 機会があったらぜひ、全住民が一致団結して、神への祭祀を、それは過酷なスケジュールで成し遂げるこの祭りに、出会ってみてください。本書を片手に。

(文・はるか)

◆本書は、竹富島の港近くにある「竹富島ゆがふ館」で購入できます。ホームページはこちら!
    http://www.taketomijima.jp/yugafu/yugafu.html

◆本書の発行元「遺産管理型NPO法人たきどぅん」のホームページはこちら!(本書のネット販売もしています。)
    http://www.takidhun.org/index.html

◆「美ら島物語」の種子取祭情報はこちら!
    http:// www.churashima.net/shima/taketomi/taneduri/index.html

◆「美ら島物語」の竹富島情報はこちら!
    http://www.churashima.net/books/200510/01.html

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