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黒島に到着。何年か前初めてこの島を訪れて、恋しい場所が出来てしまい、再び向かった。他の島にも行ったが、今回の旅は黒島に来る事がメインだといってもいい。早く灯台に着きたい!浜へ降りたい!心を躍らせながら、ひたすら自転車を走らせる。
しばらく走っていると男の子と会った。「こんにちは〜」とあいさつすると、はにかみながら話しかけて来た。
ボク・・・「ネーネーはどこ行くん〜?」
私・・・「今から灯台に行くんだ! 遠いよね灯台は〜。ボクはどこ行くの?」
ボク・・・「港。みんなで遊ぶんさぁー! 灯台の場所は分かるん〜?」
私・・・「ちょっと分からないけど、地図見ながら行くから何とかなるかな」
ボク・・・「そうね〜? 分からんかったらよー! 看板があるからよー! それじゃあねえー!」と彼は走り出した。
島の子どもの、こういう素朴でくったくのない性格が好きだ。
再び自転車を走らせる。初来島では、一体どこへ行ってしまうんだろうと不安にかられてしまった長い道のりをかけてついに到着した。白い灯台は変わらずひっそりと佇んでいた。
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浜に降りて岩に腰掛ける。海に浮かぶパナリ島、コォォ〜・・・と風の音、近くに滝でもあるかのようなリーフを打ちつける波の音しかない。あの時と同じ、ただただ涙が出てきた。泣けてきた。心を無にしてくれるというか・・・・・、現在の自分の在り方や、心の中の混沌としたものを消し去ってくれる。まっさらにしてくれる。自然の力なのだろうか。他の島にも好きな場所はあるけれど、不思議と心の奥から染み入る場所はここだけだ。前回は10分程しか居られず、どうしてもっと早く来なかったんだろうと後悔したが、今日は思う存分この場所で過ごせて幸せだった。いろんな事を考えたり、本を読んだり、写真を撮ったり・・・。
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命の洗濯が出来た。ここは自分にとって、どうしても好きな場所・必要な場所だ。
「今度は泊まりで来よう・・・」と風に当たりながら、離れて行く島を見つめながら思った。
一人の男の子が待合所から桟橋に向かって手を振りながら走って来た。
「また来てねー!絶対ねーーー!」と叫んでる。誰かを見送っているのかなとチラリと後ろを見たけど、他の人は背を向けていた。「えっっ!私に叫んでくれているの!???」ジ〜〜〜〜ンと泣けてきた。
「絶対また来るからねー!バイバーイ!!!」と桟橋の先端で手を振っている男の子に返した。あの時のボクだろうか?彼を撮ろうとしたけど、残念!フィルム切れだった。悔しい。だけど、一年過ぎた今でも、あの時の出来事は、くっきりと心の中に残っている。彼は船に乗っている人全員に叫んでいたのかもしれない。が、あれは紛れもなく私に言ってくれていたんだと思いたい。あの時のボク!どうか、どうか、ずっとその心を忘れずに・・・・。風景も、人も・・・、これだから島旅はやめられない。
島は命の薬・・・『ぬちぐすい』そのものだ。
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