ついに出航の時。
さっきから泣きっぱなし。涙が止まらない。
モーター音とともに、船が波照間島から少しずつ離れていく。
みんなの顔がだんだん小さくなる。
涙のせいでぼやけてしまう。
必死にタオルで涙をぬぐいながら、くしゃくしゃの顔で笑顔を
つくる。
腕が痛いのも忘れて手を振り続ける。
またくるね、またくるね、絶対またくるね
心の中で何度もそう叫ぶ。
最後に島人の姿。
握り締めていたサトウキビ2本を大きく掲げて、
ありがとうって泣きながら叫ぶ。
最高の誕生日プレゼント。言い足りないくらいのありがとう。
サトウキビの甘さ、忘れない。
島人の優しさ、絶対忘れない。
肌寒くなってきた空を眺めながら思う。
この空は波照間とつながっている。
腐り始めたサトウキビを、私はまだ捨てられずにいる。
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