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第8回 沖縄民謡事情

沖縄には各島独特の民謡があります。それを総称して島唄(しまうた)とよんでいます。

沖縄が好きな人は誰でもご存知でしょうが、あのBOOMが『島唄』という唄を全国にヒットさせました。
無論沖縄でも大ヒット、しかしそれは沖縄県の民謡に携わる人にとっては少し厄介だったのです。
沖縄ブームにのって多くの観光客が民謡酒場に足を運ぶようになりました。

民謡酒場のステージでは、生の民謡ショーを楽しめる趣向になっていますが、ある日のこと、ショーが終盤に差し掛かり民謡歌手がお客さんにリクエストを求めたところ、ステージが一瞬シーンと静寂に包まれました。

観光客が片手を上げて「はい、『島唄』お願いします」といったのです。きっとその人は沖縄初心者だったのでしょう。
最初はきょとんとしていた民謡歌手でしたが、我に戻り一言!

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「今歌ったの、全部島唄だけど」と返したのです。

その現場にいた私はもう笑いが止まりませんでした。

ところが、実はBOOMの『島唄』、そんな厄介な部分以上に沖縄対する貢献度の方が大きかったのです。
あの曲を切掛けに、沖縄でもサンシンはカッコいいといって若者が手にするようになりました。

また、それが今じゃBOOMの『島唄』どころか、島唄が全国的にブームになり、メジャーのミュージシャンの歌謡曲からラップにまでサンシンの音が入るようになったのですから。

それはすべてが『島唄』のおかげとは言いませんが、今の時代を創る一翼を担ったことは間違いないでしょう。
今となっては民謡酒場で「『島唄』お願いします」も楽しい思い出。
最近じゃショーの最中リクエストどころか、自分でサンシンを奏でて島唄を唄いだす飛び入り観光客が横行しているぐらいなのです。

沖縄では民謡は決して、古い唄を継承するだけのものではなく、呼んで字の如し、民の唄ですから今の時代を歌うことを忘れないのです。
既に耳にした方も多いでしょうが、毎日最低1曲は新曲が生まれているという理由なのです。

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松田弘一さんの作った名曲ゴルフ節にはタイガーウッズが登場してきますし、津堅島ビーチ音頭にはジェットスキーもウインドサーフィンも出てきます。マツゲンサンバでチョンマゲにサンバは一見画期的なようですが、沖縄ではあんなことは素人の世界でも日常茶飯事。

マミドーマーという労働歌に乗せた民族舞踊を、マミドーマーUSAといってマイケルジャクソンのスリラー曲に乗せて踊る披露宴の余興は10年以上も前からの定番ですし、八重山民謡『月ぬ美しゃ』はロックにも混声合唱にもなれば・・・・

このくらいにしておきましょう。
全ては沖縄のおおらかさといい加減の狭間から生まれてくる必然だということを、わかって頂ければそれで十分なのです。

 







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美ら島物語藤木勇人の『うちなー島旅見聞録』
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