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第16回船浮の旅
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藤木さんと池田さん

 あれは去年の8月ですよ。JTAさんにお世話になって離島めぐりをしたのは。
 私もはっきり言って離島病だからねぇ。石垣を中心に日本最南端の島、波照間と東洋のガラパゴス西表島の、陸の孤島といわれている船浮と回ってきたんだけど、やっぱり島は最高だった。

 というよりも、島の人たちが最高だったんだねぇ。

 それで島人(しまんちゅ)として最高のマイヒーローがいるので今回はその人の話でもしてみようと思うわけ。


 それは誰かというと、船浮の池田米蔵さん。


 あの方はまさに船浮のターザンともいえる存在。
 今では沖縄のミュージシャン『池田卓』くんのお父さんとしても有名なんだけど、米蔵さんの名が世間にとどろいたのは、やはりイリオモテヤマネコの撮影をコーディネイトしたこと。
 けっして誰にでもできることではない働きなんだけど。
 しかし、米蔵さんと友達になっていろいろ話を聞くと、イリオモテヤマネコの撮影に成功したという偉業は、彼にとってはそうたいしたことでもないように聞こえてくるから不思議なんだよねぇこれが。

 それじゃどんな話が他にあるかというと、海で猪を獲る話、ヤマピカリャーという豹のような幻の生き物を西表の山の中で見たときの話、実は話だけではなく目の前でヤシガニを調教して、カニバサミを左右両方と思いのままに上げさせるのを見せてもらったり、「コウモリを呼ぶか」といって、ある技を使いコウモリを空に群がらせたりするんだから、とにかく普通とはちがうんだよ。

やしがにの調教1
 

やしがにの調教2


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 石垣の港で「米蔵さんはヤシガニを調教できるらしいよ」という情報を聞いてそれを本人にぶつけると、簡単に「できるよ。見たい。じゃ、ヤシガニ捕まえてようねぇ」といって、藪の中に消えていくわけよ、昼間から。


 昼間にヤシガニを取れる人なんていないよ、ヤシガニは夜行性で昼間はどこかに隠れてるんだから。


  しかし、ものの15分ぐらいで2匹のヤシガニを手に戻 ってくるんだから。「どんなして獲ったの?」と聞くと本人いわく、島の全てのヤシガニの穴を知っているそうで、ただ問題なのは「どの穴の入り口にもヤシ ガニのボディーガードとしてハブがいるから、それをどうするかが重要」って処までが本当なのか嘘なのか?とにかく目の前のヤシガニの事実からすると、米蔵さんには島の全てを知り尽くした未知の領域を持っているのだと理解するしかないんだよね。
  そんなターザンぶりを見せられたら、米蔵さんの凄さに もうあいた口がふさがらないといった状態さぁ。


ああ「今年も船浮に行きたい!!」


                                    うちなー噺家 藤木勇人

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美ら島物語藤木勇人の『うちなー島旅見聞録』
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