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第28回渡名喜島の旅

 NHKに『日本夏紀行』という番組があるわけ。タイトルとおり夏の時期にだけ放送される内容で、毎年全国三つの地域を取り上げて、その土地と人を何らかのイベントを通してドキュメンタリータッチで紹介するものであるわけ。テレビからの暑中見舞いといった感じで、どの中身も清涼感を味わうことができる素敵な番組に仕上がっているのがミソねぇ。

 実は、かれこれこの特集が始まってから4年ほどなるらしいんだけど、毎年3つの地域を取り上げるといっても、これがなんと沖縄はまだ一度も外されたことがない
らしい、確かに沖縄の海もだいぶ以前に比べれば汚れてきたのは事実。だけど、
全国の皆さんに涼を届けるために嘘のように青々とした海を探そうと思えば、
行くところに行けばまだいくらでものこっているのも事実だからねぇ。

 それで今回題材になったのが渡名喜島の89回目という歴史を持つ水上運動会の取材だったわけさぁ。

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 前から興味があって一度は足を運んでみようと思ってたのに、船は1日一便だし、切掛けも掴めないままに今回、番組撮影で初上陸となったわけ。

 渡名喜島といえばハブの島で有名で、それと野生化したヤギが沢山いてそれを取って食べると美味いという噂があってそのイメージばかりで向かったら、これが大違い、まず島に行って目に付いたのは、その景観の素晴らしさ、村道は集落の中は殆ど砂地で、各家々の防風林の福木が見事に道を挟むように生えているわけ。

 そして赤瓦のけっこう古い家が何軒も連なって立っていて、そこに人もちゃんと住んでいるから生活観もあるし、もう最高の雰囲気。話しでは昔、戦前から戦後にかけてだと思うがカツオ漁でとても景気のいい時代があって、その当時に建てたカツオ御殿ということみたい。

 まだ昔のワーフール(豚小屋)もけっこう家の後ろに残っていたし、唯一塀がブロックだったりするのは残念だけど、それ以外は朝から村中の人が子供たちと一緒になって砂の歩道を竹箒で掃除するのが日課にもなっているらしいし、夜は夜で星が見えやすいよいうにか?歩道の足元を照らす小さな外灯が設置されていて、それがなんともエキゾチックだったり。比べるのもなんだけど、竹富島にも負けないほどの景観だったわけよ。

 ところで、ハブやヤギのことを聞いたら、あんなにいた野生のヤギが、最近じゃ
殆ど見ることもなくなったらしく、オバサンいわく「みんなハブに咬まれていなくなったんじゃないかねぇ?」って。
だけどそのハブもだいぶ減って最近は見ないねぇだって。

                                    うちなー噺家 藤木勇人

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美ら島物語藤木勇人の『うちなー島旅見聞録』
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