美ら島物語
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第34回超裏メニュー

 仕事で八重山諸島に足を運ぶことがけっこう多いわけさぁ。
 八重山と言わず離島に足を運ぶことは、自分にとってはこの上ない喜びでもあるわけ。仕事の合間をぬって、地元の人と触れ合うとそこから些細なカルチャーショックがテーブルマジックのように飛び出してくる。
 そんなマジックの中で手っ取り早いのがやはり、食べ物だねぇ。俺なんかこの性格だから、悲しいくらいに好き嫌いがなくて、さらにこの性格だから、人に道に落ちている石でも「これ食べたら美味いよ」と説得されると本当に口に入れてしまうタイプ。ようするに珍味系大好き男なわけさぁ。とくに海のものがね。だから、八重山に行くと大概の皆さんは経験してると思うけど、どの居酒屋に行っても貝の博物館かと思うほどに貝殻や魚の剥製なんかが、やたら飾られてるでしょ。あとは、地元と交わればそんな海産物の珍しい中身が登場してくるわけよ。

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 去年、種子取祭で竹富島にお邪魔したときには、ウムズナー(足が長い砂地に住んでいるタコ)のサラダといって、器にいっぱいそのタコが出てきたときには、ちょっとビックリ、なんせ此処まで大量だとちょっとグロテスクで。でも味は抜群に美味いという事を知っているし、一度腹いっぱい食べてみたいなぁ、と思っていたのでその夢は叶ったさぁ。



 そして今回は石垣の寿司屋さんで、出てきたのがこれまた凄かったわけよ。近海魚の寿司ネタも美味くて、酒とあわせて腹にたまったころに、案内してくれた店の常連がどうしても食べさせたいと「トーフチャンプルーちょうだい」と注文したわけ。「おい、ここでトーフチャンプルーかよ」と思っていたら、出てきたのがシャコガイの肝だけを集めてオオタニワタリの芽と炒めた料理だったわけ。

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そう、石垣ではシャコガイの肝をトーフという事を思い出して、納得。あまりの凄さにデジカメを向けたら「超裏メニューだから誰にも言わないで」と寿司屋の親父に言われたさぁ。そらそうだ、これだけの肝を集めるのは並大抵の苦労じゃないはずだからねぇ。むろん味は絶品だったさぁ。

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 そしてとどめは海人から接待を受けて「これも食べるか」といわれ出てきたのが、釣り上げる途中でサメの餌食になって半身で上がってきた高級魚のシルユー。これは、自分のことを本当に身近に思ってくれていての一言と受け取り、サメの残り物を塩煮で頭の骨まで砕いて脳ミソまですすったよ。これまた絶品だったねぇ〜。
 思い出すだけで幸せ!!

                                    うちなー噺家 藤木勇人

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美ら島物語藤木勇人の『うちなー島旅見聞録』
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