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36回 憧れの白い肌

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 あれはNHK朝ドラ『ちゅらさん2』の撮影のころだったと思うんだけど・・・。石垣島の社交街にはロシア人の女性がたくさんいて、夜な夜な石垣の男たちが飲み屋に群がるという話しがあったわけ。

  そんな群がる中の一人から話しを聞いたら、彼女たちは当たり前にロシアからの出稼ぎで、わざわざ沖縄は石垣島まで来て飲み屋勤めをして得た報酬の幾らかをロシアに送金して、向こうにいる家族の生活を助けているというわけさぁ。それである程度働くと、転勤のようなものがあって他に長崎や広島に移動したりするらしいわけよ。それで、中には惚れ込んだ男が、わざわざそこまで彼女たちを追っかけて行ったりする奴もいるというからビックリさぁ。
話しを聞いた彼は、島をろくに出たことも無い友達が、どうしてもそのロシア人女性に会いたいと言って「ひとりで旅は心もとないから付き添いで付いてきてくれ」と頼まれ広島まで行ったこともあったというから、もうそこまで来ると笑い話なわけよ。

 何がそんなに島の男を魅了するのかと聞けば「ヤモリのように透きとおった白い肌」というわけ。

 確かに沖縄の人は男女問わず全体的に黒い、話しはもっと古くなるけど沖縄が日本本土復帰をはたし、県外から多くの観光客が来はじめのころ、島の若い男たちの間では観光で来る大和イナグ(本土の女性)の話しはよく話題に上っていたよ。今思えば隣の芝生とは思うけど、あの白い肌の女性たちが、地元女性に比べ華やかで可憐で清そに見えたわけ。それはみなあの肌の白さからのイメージだったさぁ。どうやら、我々の先輩方にはそのコンプレックスがしっかり体に染み付いていてのロシア人女性だったみたい。
 

 ところが今回、仕事で石垣に行った際に接待を受けて、そのロシア人女性と初遭遇したわけよ。いやビックリしたよ。少しオバサンだったけどホントに透けるように白いのには、群がる島の男たちが十分想像できたさぁ。
だけど今では一時のロシア人女性ブームは去り、いまは島の男と結婚した二人だけが島にのこるのみらしいねぇ。  

 あれから石垣も活気付いたけど、ロシアもどんどん活気付いてきているらしいし。島のそんな些細なところで国際的な時代の流れを見たりもするねぇ。

                                    うちなー噺家 藤木勇人

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美ら島物語藤木勇人の『うちなー島旅見聞録』
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