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昭和61年、沖縄で海邦国体が行われた前の年、私、とある割烹ではじめて古酒を飲みました。一緒にいた先輩が、「さーて、古酒でも飲んでみようかな」とつぶやいたのでドキッ!
当時、沖縄県内の大衆居酒屋では泡盛ブームが沸き起こり、若者も泡盛を飲みはじめていましたが、古酒についてのイメージは「古くて臭い泡盛」といった感じで、若者の間では古酒は年配の方が飲むものだと思っていました。
そんなときですから内心、(え〜〜、何何?臭い酒飲むの?)などと思ってたのですが、先輩の意見には逆らえません。
よーし注文しますと、腹をくくって、それではどれにしようかとメニューを見てまたびっくり。
古酒って高い!なぜ????
これはきっと何かがあるぞという期待感が膨らむ中、運ばれてきたのは美しいブルーのビンに入ったお酒。イメージ的にはとてもおいしそうだと思いましたが、まだまだ疑いの眼差しで見ていました。
封を切ってグラスに注ぎ、「乾杯!」腹を決めてグラスを顔に近づけると・・・。
おや?おや?、なんだこの香り。
あま〜くふか〜く鼻の粘膜をくすぐる。一口含んでみました。
美味しい!臭くない。というより、なんともいえない香りがする。これぞ、豊饒というもの。
更に一口また一口と、飲めば飲むごとにその味の深みが舌から胃袋まで伝わってくる。
また、毛細血管の隅々までじっくりと染み渡るその円やかな酔いは琉球の風を感じさせる。
こんな素敵な酒があったのか!まさに目からうろこが落ちたような爽快感を味わいました。
そんな、センセーショナルな古酒デビューを果たした後は、どこへ飲みに行っても古酒はありませんか?と聞きつづけました。当時、スナックではまだまだ洋酒がメイン。
古酒なんか、泡盛なんか置いていません。
でも、あの味が忘れられなくて「洋酒と同じ料金で結構ですから、古酒置いてくださいよ」。
っと伝えつづけて半年ほど経つと、ちらりほらりと古酒が並び始めました。
きっと、その頃古酒を味わった人は、みんな同じ思いに駆られて古酒を求めて夜の街をさまよっていたのかもしれません。
古酒の魅力に執り付かれた私、今では自らビンのまま寝かせて古酒を造り?その味を楽しんでいます。
造り手の歩んできた道のりも、心の隅の置いていただきながら古酒を味わっていただければと思います。今回は古酒造り一筋、100年古酒を目指している酒造所、本部町八重岳の麓にある山川酒造を訪ねて昔々の物語、うかがってまいりました。どうぞお楽しみください。(2002.11.21掲載)
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