創業明治15年、設立昭和32年
うるま市(旧石川)の自然豊かな場所で酒造りを営んでいる神村酒造は、琥珀色の泡盛をはじめて製造・販売した酒造所です。
戦後沖縄は、アメリカの統治下に置かれ、酒もウィスキーやバーボンなどが大量に入ってきたため、いつしか人は泡盛を飲まなくなっていった。
歴史と伝統を受け継いできた泡盛が消えてしまうかもしれない。先代は考えつづけた結果、人々はウィスキーのように色がついた酒を人は好んでいるのかもしれない。
そう思って泡盛を樫樽で貯蔵・熟成させることを思いついた。
1958年に樫樽を輸入し、貯蔵を開始、たくさんの試行錯誤の末、美しい色と芳香をもつ泡盛が生まれた。
それが『琥珀伝説暖流』です。
『暖流』という名前は
はるか昔、進貢船が黒潮「暖流」に乗り、遠い異国へ渡って、交易を行ないながら異国の文化を取り入れ独自のものに創り上げていった
古きよき大琉球交易時代の浪漫や華やかさと、先人達の挑戦し続ける精神を受け継いでいきたいという想いをこめて名づけたそうです。
私は以前、初期の暖流を分けていただいたことがあります。
美しく輝く黄金の泉、いつまでも余韻を残しながら漂う芳香。口の中で広がる甘味とコク、熟成の時を重ねた上品な仕上がりは喉を伝うまで心地よく、泡盛が苦手な人でもグラスを口に運びたくなるれるお酒。
この泡盛を泡盛だと聞かされずに、飲んだ人がもし、いたとするなら、高級なブランデーを飲んだと思うかもしれません。
神村酒造のもう一つの人気銘柄は『守礼』。
「守礼の門」にあやかり、礼を重んじる場のもてなしの酒となるように、との願いを込めて名づけました。
神村酒造の古酒蔵にはギャラリーがあり、預かり古酒サービスも行なっています。
またさりげなく酒の器が並んでいたりするので、こだわりの掘り出し物が見つかるかも。取材の日も、ずっと探していた小さなカラカラとお猪口を見つけてすかさず買い込みました。
酒は生き物。
台風の日は停電を警戒して工場に夜通し泊り込んで番をします。
もし停電が起こると発電機を立ち上げて、工場の電気を絶やさないようにしなくてはいけません。温度や湿度管理を怠ったり誤ったりすると、酒が死んでしまいます。
酒造りでは、いくらコンピュータを導入しても、最後の判断は人が行なうものです。
人しかできない、わからない領域のわずかのタイミングというものもありますし
コンピュータや機械は誤差が生まれますがそれを自ら修正することができません。
だから、人が厳しく優しく見守りながら酒を育てていかなくてはなりません。
酒一筋に生きてきた先代の思いは、今も受け継がれて少しずつ発展しているのです。


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