【夫婦から家族へ】
夫婦と長男へ、受け継がれつつある玉那覇酒造所。
泡盛ブームが落ち着いた今も、県内、特に島内への出荷が増えています。
品質的にも味でも島の人々に認められるのが何よりも嬉しいことだと、社長は語ります。
一番いいことは、地元に支持されること。地元に支えられながら地元への貢献をしていきつつ成長・発展していって、島外や県外にも伸びていく姿が、一番理想的であるべき姿ではないでしょうか。
【明治45年創業】
創業当初の工場も酒も、第二次世界大戦で空襲を受けてすべてが破壊され、今は何も残っていません。
がれきの山に残っていたものは仕込みタンク(甕)が22本だけでした。
つぎはぎだらけで漏れたりして、まともなものはひとつもなかった。小さいステンレスのタンクを入れてやっと細々と酒造りを軌道に乗せていきました。
何もないところからの再出発だったので、相当苦労もありました。
2006年に増産のための設備を導入して、生産体制が整ったので、これからは新商品の開発も行なっていきたいですね。
八重山は今や観光地、年間80万人の観光客が訪れます。
お土産には地域の特産品を買い求めますが、泡盛との出会いがはじめての人もいます。そんな方々にも美味しい泡盛として選んでもらえる飲みやすい商品や地元の方向けのギフト商品など、小規模でありながらも、ニーズに合った商品を開発していきたい。
【こだわりたい】
原材料は同じなのに、各酒蔵所で違う味が生まれる酒。
品質管理や造り手の「思い」で家着き麹や家着き酵母が味を大きく左右しているのではないでしょうか。
確かに、製造方法はひとつなのに、同じ味の泡盛はない。酒造所によって味が違うのは不思議だ。
各蔵の特性が出せる酒が泡盛なんですよ。
玉那覇酒造所は蒸した米つぶ全部に麹菌が着床するまで仕込む老(ひね)麹仕込み。
コクと甘味が特徴で、古酒になる酒を前提とした仕込を徹底的にこだわりながら行なっています。
不思議ではありますが、造り手の思い入れやこだわりがボトルに詰められているのが泡盛なんですよ。
機械はセットしてからそのままというわけにはいきません。
その日の気温や天気を肌で感じる、杜氏の勘でいい酒が生まれると思います。
環境の変化にすぐ反応して温度管理をしたり、清潔な環境を保つために細かな清掃を怠らなかったり。そんなこだわりが味を作り出しているのではないでしょうか。
季節によって微妙に味が違ったとしても、その蔵の味の範囲内には収まっているはずです。
季節の味の変化を楽しめるようになると面白いと思いますが、難しいでしょうね。
造り手が思いとこだわりで酒をだしても、それを飲んで美味しいか美味しくないか決めるのは消費者の判断ですから、こだわりをもってこだわりを伝えられる酒を造らなくてはなりませんね。
お話を聞きながらでも、工場のちょっとした変化や小さな物音にも気づき、確かめにいくご夫婦の思いと真心を感じました。
【アジアで泡盛】
アジアの国で泡盛が大ヒットする可能性があるような気がします。
諸国を巡っても、これは旨い!という酒にめぐり合ったことがありません。もしかしたら本当はあるのかもしれませんが、旅した中ではまだ経験していません。
泡盛のルーツは「タイ国」と言われていますから、東南アジア諸国の人の味覚にも合う酒ではないかと思います。
沖縄からアジアの国々へ泡盛が出荷されていく日が来るといいですね。

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