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子供のころ、父が週末飲みに行くと聞くと、日曜の朝は「餃子」が食える。とワクワクしていた。朝、目覚めて台所へ行き、胃液を溢れさて食欲をそそるような、ほのかなニンニクの香りが漂っていると、みんなで大騒ぎ。
あちらしけーさ(温めなおして)仲良く分け合いいただきまーす。と子供のころから親しんだ味。その餃子の店に、はじめて父に連れられていったときは、くたびれた瓦屋根の店だった。
私も社会に出て、繁華街で飲んだ帰りに一人で界隈を歩いていているうちにふと思い出した。たしかこのあたりに餃子屋があったはず、と。
当時の風景とは全く違う街並みに戸惑いつつも看板を探していたら、一軒の餃子屋を発見!通りで餃子の看板を掲げているのはここしかなかった(20年前)!
よっしゃと覚悟を決めて扉を開けた。
カウンターと座敷席には「今日もいっぱい飲んじゃった」顔のおじさまが数名。まったるく餃子を食べていた。壁に貼られたメニューを見たら餃子とラーメン、めしのみ。さっそく焼餃子を注文した。
数分経って目の前に現れたのはあの懐かしの餃子だった。
それ以来、飲んだ後はこの店に立ち寄ることが多い。
翌日、おやじのあの店見つけたぜ!って父に報告したらにやりと一瞬微笑んだ「こいつも大人になったな」と思ったかどうかは知らないが、嬉しそうな笑顔だった。
おかあちゃんは無口な人。黙々と焼いているか作っているか。だと思いつつ、そんなおかあちゃんに話し掛けてみたら、暇な時間のせいもあって、ちょっとゆんたくのひとときが過ごせた。
昔からの常連さんがやっぱり多いさー。そして常連さんに連れられてきた人が時の流れの中でまた常連さんになっていくからありがたいねー。
最近は本土の知人に送りたいという人もいるそうなので、食べてみて美味しかったらお土産にもいかが。
旅の夜、まったりと栄町の夜のひと時堪能できることでしょう。あ、ニンニクたっぷりだから、デート前には覚悟して召し上がれ。でも二人で食べればイーブンね。
上海にいつか一緒に行こうと、父と何度か話すものの、お互いに少々照れくさくて、未だに実現していない。
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