海に潜れば、具も潜る。
宮古そばってば、なぜ潜る?
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ご存知「宮古そば」は、基本的に沖縄そばの宮古島版。同じようでいてなかなか個性的なそばである。
その宮古島版的な部分はどこかというと、1に「麺が細目でストレート」。わりと縮れ気味な本島の沖縄そば(例外もあるけど)に対して、かなーりストレートな麺なのだ。本島の縮れ麺がしな〜〜〜〜っと口の中に媚びてくるのに比べて、宮古の麺には媚びがない。口の中でも直線を保つ潔さがある。ストレートかつ気が強いのだ。かと言って気が強いばかりではないぞ。本島のより細麺だからこちらがアゴを閉じると従順に身をゆだねてくるのである。気の強さにビックリした後だからこの従順さがやたらに心を揺さぶる……押し引きを心得たオトナな麺、なのである。
宮古島版的な部分の2は、そのダシ(スープ)であろう。端的に言うと「あっさり」している。本島のはわりとしつこめなダシ。豚骨多用って感じ。そのコッテリ感もあってほとんどラーメン化している店も多いのだが、ここ宮古島のダシは魚と豚骨のバランスがいいせいか、あっさりかつマイルドなのである。
ちなみにある店で、ダシはなにを使っているんですか?と聞いてみたら「うちはねー、魚でしょ、魚もいろいろ入れてるよー。それと豚骨でしょ、鶏でしょ、それから野菜もいろいろ入れてるねー。しいたけでしょ…」とおばちゃん止まらなくなった。ほとんどゴッタ煮状態ではないか。うーむ、それだけ入れて、こうあっさりまとめるのもたいしたもんだ。化学調味料の量も本島に比べると控えめな印象。うーん、うまいぞ。
で、その3が「具が潜る」ことなのだ。 つまり、お店で注文して出てきた時は丼に麺しか見えない(正確に言うとネギは見える:写真参照)。で、なんじゃこりゃ、かけそばかいな、と麺を箸でほじくると下の方からデデデンと具が現れる。それも予想を裏切って大量に現れる。三枚肉やらかまぼこやらがドガドガ現れるのである。ほとんど具の上げ底状態である(こういう上げ底なら大歓迎!)。
宮古そばの一番の特徴と言われるのは、この「具が潜る」ということなのだ。それなのに3番目に持ってきたのには実はワケがある。この「具が潜る」というスタイルは今ではほとんど絶滅しかかっているのだ。どうやら「やっぱり具はさー、上に載っている方が豪勢だしおいしそうよねー。お客さんにもわかりやすいしー」という勢力が大侵攻したようで、現在では島内ほとんどの宮古そば店が「具は上」スタイルになってしまったのである。
うーむ、その程度のことでほとんどの店が伝統のスタイルを捨てるわけ?
味はどうなのよ。味的にうまいから潜らせていたのではないの?
つまり具を潜らせなくても味は変わらない、潜らせる必然性など「味的には」最初からなかった、ということですか?
具を潜らせた方が(具にダシが染み込むとかそんな理由で)美味しくなるのなら、そのスタイルを継承する店がもっともっといっぱいあるはずである(手間はかわらないし)。うーむ、じゃーなぜ、わざわざ具を潜らせるなんてことをしていたのだろう?
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