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スペシャルさとなお


海に潜れば、
具も潜る。
宮古そばってば、
なぜ潜る?
宮古島
なぜ具が潜るのか?



プロフィール
  さとなお。東京生まれ。全国のレストランを自腹覆面で審査する「ジバラン」団長。おいしいコラム満載のさとなお個人サイトはこちら
著書:「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「さとなおの自腹で満足!」(コスモの本)、「うまひゃひゃ さぬきうどん」(コスモの本)など
 
 

なぜ宮古島では人間ばかりでなく具まで潜るのか。この謎は基本的にまだ解かれていないようだ。


ただ、ボクは「宮古島の海はキレイ」というところにその答えがあるような気がする。


宮古島の海がキレイなのは「山がないから」でしょ? で、宮古そばの具が麺に潜るのも「山がないから」なのではないかと、ちょっと思ったりするのである。


むはは。思わせぶりな言い方で申し訳ない。たいした答えではないのでさっさと書くです。


ま、仮説だが、「山がない→川がない→飲み水に困る」と考えてみると、宮古島の歴史は基本的に「水に苦労した歴史」ではないかと思うのである。山が多く川も多い石垣島とかと比べて、飲み水の確保に大変な苦労をした歴史があるのではないかと思うのだ。


もちろん、現在は豊富な地下水に恵まれているというのは知っている。その質のいい水を使っていい泡盛が生産されているのも知っている。ただ、聞けばその地下水の発見はそんなに昔のことではない。その地下水も島全体に行き渡っていたわけではないだろう。要するに「島全体で見れば、飲み水に困った歴史が長かったのではないか」と思うのである。

水に困っているとどうなるか。

島外から来る人(特に移住者)に対してどうしても排他的にならざるを得ない。「人口が増えたら困る」からである。飲み水に限度があるのだ。移住者が増えれば自分の取り分が少なくなる。そりゃ困る。だからどうしても排他的になってしまうんじゃないだろうか。


で、以上のことから想像するに、昔の島民は具だくさんの宮古そばを日常に食べながら「かけそばを食べているように、つまり具も載せられないような貧乏なそばを食べているように見せかけていたのではなかろうか」と疑うのである。


具を隠してかけそばと見せかけ、「わたしら具も載せられない程に貧乏ですぅー。こんな貧乏な食べ物、食べたくないでしょー。こんな貧乏な島、住みたくないでしょー。帰った方がいいよー」と島外の人たちにアピールしたのではないだろうか。


要は「宮古島はイイトコロすぎるから、住みたいのはわかるが、来られるとただでさえ少ない水がもっと少なくなって困るんじゃい!」な気持ちが、具を隠させたのではないか、と妄想するわけ。


で、水に困らなくなった現在の彼らは、貧乏を装う必要もすでになく、堂々と具を麺の上に載せている、というわけですね。


むはははは。強引な結論か? そうかそうか、そんなことどうでもいっか。そう、ま、うまけりゃいいのである。


うむ。妄想はともかく、宮古そばはうまい。なぜか知らんが、どの店で食べてもそこそこうまい。


昔ながらの「具を潜らせる」スタイルは、例えば「丸吉食堂」(ボクの一番のオススメ)ほか数店に減ってしまったが、具が潜ってなくてもなぜかとりあえずうまいのである。


ストレートで気が強い麺、あっさりとしてコクがあるダシ、そして麺をほじくっているうちに現れる大量の具たち…… ほら、食べたくなったでしょ?


具が潜っている昔ながらのスタイルが絶滅しないうちに、宮古島へ行ってムガムガ食べようではないか! 急がねば!

 
                                                                 (2001.07.06掲載)




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