ニガリを入れると豆乳の中にふわふわ浮いてくる固形物はもちろんまだ(あの売っている豆腐みたいに)四角くない。これを型に流し込んで固めるといわゆる「豆腐」になるんですね、当たり前だけど。ちなみに型に流し込んだままだといわゆる「絹ごし豆腐」。これに重しをして水切りしたのが「木綿豆腐」である。
で、型に流し込む前の状態、つまりカタチが定まってないフワフワのものを、本土では「おぼろ豆腐」とか「汲み豆腐」と呼ぶ(ざるにとると「ざる豆腐」だね)。これを沖縄では「ゆし豆腐」と呼ぶのだ。汁ごと丼にとってネギをふって食べるとそりゃーもううまいのなんの! 大衆食堂の定番メニューである。
沖縄独特の、いわゆる「島豆腐」と言われるものは、ゆし豆腐の状態のものを型に流し込んで固めて、重しを乗せて水分を徹底的に抜いてしまう。普通の木綿豆腐よりもっともっと水抜きをするから、かたーーーい豆腐ができあがるのである。それが島豆腐だ。
本土のひ弱な豆腐に慣れている人からすると、マジで驚異的に固い。ひと口食べて「ト、トリニクを食べているようじゃ!」と評した広島出身の友達がいるくらいである。……ま、チキンナゲットくらいな固さは確かにあるかもしれない。
だから乱暴にフライパンで炒めても、決してボロボロにならない。ほら、沖縄の食堂でチャンプルーをたのむと、皿の上の豆腐のカタチが崩れてないでしょ? チャンプルーを普通の豆腐で作ると、豆腐がボロボロに崩れて元のカタチが残らないけど、沖縄の島豆腐だと大きな塊として残るのである。それくらいは固い。んでもって、栄養も凝縮している。そしてなにより、大豆の風味が凝縮しており、ひと口食べるとプ〜ンと大豆の香りが口中に溢れるのだ。ぅうまい!
でもね、この「ぅうまい!島豆腐」にはもうひとつ深い奥があったのである。
そう、それが今回ご紹介する「昔ながらの製法」だ。それはどういう作り方か。そしてどういう味になるのか。さっそくひもといていこうではないか。