そして、翌日の天然モズク採りを控え、家族でなにげなくはいむるぶしのビーチに出た。4月中旬、沖縄の海は大干潮で、昼過ぎにビーチは干上がる。泳ぐどころか、何百メートル沖に出ても膝程度しか深さがない状態。妻と7歳になる娘と、そんな遠浅ビーチでチャプチャプと水遊びしていたら……
「ねぇ……これってモズクじゃない?」
「へ?……そんなわけは……あ、ほんとだ、これってモズクだー!」
……モズク、いるじゃん。
そこら中に、あるじゃん。
単なる藻かと思っていままで無視していたが、触ってみるとニュルッとあの独特の感触がする。こ、こんな観光ビーチでなにげにたくさん天然モズクが採れるとは思わなかったぜ!
場所によっては森のようにユラユラ揺らめいている。
手で全体を掴んで軽く引っ張るとスッと手の中に入ってくる。草をむしるより簡単だ。
「あらららら、もう見つけちゃいましたか〜
ま、どこにでもありますからねぇ」
翌日、天然モズク採りにつき合ってくれるはずだった「はいむるぶし」の北島清隆さん(美ら島物語で美しい写真をいっぱい紹介しているカメラマンでもある。しかも大ハンサム)に話したら、そう笑った。聞けばここらへんではモズクなんて買うものではない様子。つまり気軽に採りに来て普通に食卓に載るようなのだ。うーむ。
「じゃー、明日はここより西の小さな集落、細崎の方に行ってみましょうね。ここよりいっぱい群生していますから」
なるほど。群生する場所があるのね。
明日はいよいよ、本格的な天然モズク採りである。
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