
沖縄の“とうふよう”の祖先は、お隣り中国の「ニュウフ・乳腐」ではないかと言われている。
乳腐(中国ではジャントウフ醤豆腐、ルーフ乳腐と呼ぶ)は豆腐にカビを生やして発酵させて、塩に漬けて作られたもので、中国では今もおかゆや料理の調味料として使われている。
ところで、15世紀始めから幕末まで、琉球王朝には王が替わるたびに、中国から皇帝の使者・冊封使の一行およそ500名が訪れ、約半年間滞在していた。そして、琉球王国にとってその接待は最も大切な国家的行事であったため、随行の調理人から中国料理を教わったり、包丁人を中国に派遣し料理を学ばせたりしていたのだ。
さて、中国からの使者が持ちこんだのか、それとも王朝の料理人が中国で乳腐に出会い持ち帰ったのかはさておき、この乳腐をアルコール、すなわち泡盛で塩抜きをしたことが、“とうふよう”作りのきっかけになったのではないかとささやかれている。
当時、“とうふよう”の製法は秘伝中の秘伝、琉球王朝のトップシークレットだったようだ。そう、“とうふよう”は、王侯たちの口にしか入らない「珍味」であり、宝石のような食べ物であり、また、冷蔵庫がない時代の大切な保存食でもあったのだ。
今でも、首里の町のどこかで、ひっそりと“とうふよう”を作っている人がいて、代々受け継がれた秘伝の味を守っているとの噂。なんともミステリアスである。
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