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やいま発 嵩西洋子のハーブだより 〜島の食材を使ったハーブ料理 今月のハーブレシピ

ハーブだより エッセイ
4月スイセンジナ
5月 シマグワ
6月 ツルナ
7月 リュウキュウヨモギ
8月 イタビカズラ
9月 ツボクサ
11月アセローラ

9月 ツボクサ

このところ里より山が好きになったようです。
サクサク、サクサク枯れ葉を踏む音が、静かな山道に響きます。枝を大きく広げたアカメガシワにクリーム色の長い花序がいっせいに咲き出し、清楚な香りをあたり一面に漂わせています。香りは澄んだ空気にいっそう静けさを醸し出し、小鳥のさえずりも遠くまでこだまする気持ちのよい朝です。ちょうど雲に乱反射した朝日が、赤やオレンジのきれいなグラデーションを空いっぱいに作り、思わずその光景に見とれていましたら、スライドを取り替えるかのように真っ青な空が浮かび出てきました。日の出日の入りの光景は何度見ても感動するものですが、その日、その時それぞれ違うものがありますね。

ツボクサ

*ツボクサ


(学名)
Centella aiatica
(科名)せり科/多年生草本
(薬効)湿疹、解熱、腹痛、歯痛、夏まけなど。




さて、今日はあのセリのような香りがするツボクサを求めながらの散策です。
ツボクサは一年中どこでも生えているものですが、私は山のものが好きで、なんとなく柔らかくて一段と味も違う気がするのです。季節の変り目に、なぜか欲しくなるツボクサ。私がよく訪れるこの場所には、ツボクサのほかにオオバコやヨモギ、オニタビラコ、カタバミ、ツワブキ、サンチラ(オキナワサルトリイバラ)…などが見られます。沖縄の山には食べられる野草はどこでもありますが、小さくてハスの葉にやや似ている丸い葉が特徴のツボクサは、すぐに見分けがつくほど個性があります。地を這って伸びるのを、周りのチガヤに行く手を邪魔されたのでしょうか、同じ場所で立ち上がった状態で長い茎をたくさん伸ばしていました。

期待通りの柔らかなツボクサをいっぱい摘み、ついでに周りのノゲシやツワブキなども摘みました。また、ちょうどイヌビワの赤く熟れた実にも出会うことができましたので、それも頂くことにしました。
秋の山野草は春のものに比べてちょっと苦いかもしれませんが、柔らかな新芽なら塩茹でにするとほとんど大丈夫です。山野草の旨さはほろ苦さだと思うのですが、かなり苦いのを扱うときは、私はいったん塩茹でを行い、竹炭の入った水に30分ばかりさらすことにしています。
ツボクサだけのつもりが、ついついあれもこれもリュックがいっぱいになるまで摘んでしまいました。さて、たくさんの山の幸をどのようにして頂こうかと思案しながらの帰り道。香りのよいツボクサにツワブキの新芽、オオバコの若葉、ほろ苦いノゲシなどをふんだんに刻みいれた"秋の山菜ずし"はいかがでしょう? イヌビワの実は甘く煮て、ほどよく冷めたご飯にまぜるのです。
 
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