美ら島物語
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ぬちぐすい
やよいさんからのお便り
 
そして、到着すると船着場には、息子さんが来ていた。荷物は、なんなく私の手を離れた。
「とまりんで拾ってきた」と紹介され、「こんにちは」と挨拶する。
彼は特に驚く風でもなく、車で島を案内してくれた。次男坊だと紹介される。
次に、妹さんのお店でそばをいただく。
紅しょうががいっぱい入っていてすごくおいしかった。
全部で4人兄弟で彼女の上にお姉さんとお兄さんがいるとのこと。

おばあさんの家は漁師さんなんだそうで、案内の途中に港に寄るとおじいさんの船が戻ってきていた。「あれがうちのお父さん」と指差すので車から降りて挨拶した。
相変わらずおばあさんは「とまりんで拉致してきた」と笑いながら紹介する。
私も「とまりんで拾われて、今日、お世話になります」と挨拶すると、にっこり笑って「ゆっくりしていきなさい」と言われホッとした。

そんな短いやり取りの中だったのだけど、「ここのお父さんは立派な人だなぁ」って思ってしまうような、何かが伝わった。不思議だけど。

そして、港を離れ、島を一周して家に向かった。
長男だという人と、一足先に帰っていたお父さんがお昼寝をしていた。
しばらくすると、お父さんがおきて沖縄と北海道の魚の話で盛り上がった。
沖縄の漁師さんの話なんて初めてで、すごく、たくさん質問をして丁寧に教えてもらう。
話の途中でお刺身をいただく。昼真っから刺身…呑みたくなった(笑)すごく、おいしい。

私は、父を高校生のときに亡くしてから他の人を「おとうさん」と呼べないでいた。
結婚していたときも義父のことを「おとうさん」と呼ぶのが嫌で仕方なかった。でも、自然に、おじいさんとおばあさんのことを「おとうさん、おかあさん」と呼んでいた。
なんの抵抗もなく、むしろ、呼びたいくらいに(笑)

話が、ひと段落ついたころ、お兄さんが起きてきて、お嫁さんと一緒にドライブに連れて行ってくれた。高台に上って島をみる。
美しい。
美しいとしか言葉がない。理想の場所を書いた絵のようだと思った。

家に戻ると、外にテーブルを出して宴会が始まった。
入れ替わり立ち代りに来る人に、挨拶をしいきさつを説明する。
どの人も「拾われたのがこの家でよかったね」と言う。ほんとだ。
泡盛を飲み、刺身をたべ続け、なんとかのマース煮もモズクもいただいた。
語彙がないことが悔やまれるけど、おいしいとしか言えない。
だって、本当に何もかもおいしかったんだもの。

※イメージ写真です。

お兄さんの同級生と言う人が来て、一緒に飲み始め地元の言葉でお兄さんと何か話し出す。
私には音楽のように聞こえることば。
結局、明日9時にということしかわからなかった。

ふと見上げると、札幌では見られないほどの星。
「暗いところで見たらもっときれいだよ」と言われ、沖縄男のよく使うセリフだと聞いて笑いながら街灯の無い歩道へ少し歩いた。

ビーズの箱をこぼしたような星空。歩道に寝っ転がって眺めた。
歩道から熱が伝わって気持ちいい。
星を眺めながら、不思議な今日一日を思った。

酒宴の席に戻ると、どこかのお店に行くという。
お嫁さんの運転で、お兄さんと同級生のにいさんと街(?)へ。
軽く飲んで、家に帰りお母さんのパジャマを借りてお母さんの隣で眠った。
沖縄に来てから初めてというくらい、よく眠った。

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