僕の彼女は沖縄の人。
本人は標準語を話しているつもりでも、やっぱり沖縄訛りの
イントネーションが出てしまう。
「ゆっくりしたらいいよね。」が口癖の、そんな沖縄の優しさを持った人です。
当時、僕は重いうつ病にかかっていて入退院を繰り返していました。
病院のベッドの中で、彼女が生まれ育った沖縄に思いを
馳せ、沖縄の音楽を聞きながら日々を過ごしていました。
なぜか分からないけれど行ったことのない沖縄を想像する
ことが、あのときの僕にとって唯一の心の慰めだったのです。
やがて退院の日が訪れて、久しぶりにみんなのいる
社会に戻ってきました。
でも、病気が良くなった訳でもなく普通の社会生活は
送れない状態でした。
そんなある日・・・。
僕の誕生日に彼女がプレゼントしてくれたものはJTAの
航空券でした。
当時、学生だった彼女は一生懸命アルバイトをして
お金を貯めてくれたのでしょう。
僕の心になんとも言えない静かな喜びがこみ上げて
きました。
初めて見る石垣島の強烈な日差し、透明な、
でもどこまでも青い海。そして竹富島の優しい人々。
時間がゆっくりと過ぎて行き凝り固まった僕の心が
ゆっくりとほぐれていくのを感じました。
沖縄の人は親切だというけれど、それは内地でいう
親切とはちょっと違う。みんな見返りを求めない
優しさなのです。
重い荷物を持って歩いていると、「送ってあげよ」と港まで
車で送ってくれたり、庭で採れた島バナナをくれたり・・・。
それは、さりげなくなんのてらいも無い、心にじんわりと
しみる優しさでした。
人間関係で追い詰められ、病気になってしまいましたが、
「なんくるないさぁ。」を実感した時でした。
現在僕は、普通に社会生活を送れるようになりました。
辛い事もあるけれど、沖縄に行けば大丈夫!!なんて
思っています。
そして彼女の「ゆっくりしたらいいよね。」という気持ちが
理解できるようになってきました。
彼女と彼女を育てた沖縄、そして沖縄の空気に感謝の
気持ちでいっぱいです。
また沖縄に行きたい。
そしてそれが僕にとっての「ぬちぐすい」なのです。
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