美ら島物語
けいさい予定 サイトマップ
美ら島検索
















「僕の音楽はDNAに鍵がある。意識しているのは広い空間。大地のにおい。海のかおり。そこから僕の音楽は生まれてくる」

彼の音楽は“沖縄音楽”のジャンルに入れられることが多い。
実際、民謡をアレンジしたり、創作エイサー団体「琉球國祭り太鼓」(※以下、祭り太鼓)のプロデュースなど、彼のサウンドは沖縄音楽と深い関わりがあるように思える。
彼のサウンドを実際に聴き、ステージを観ると、壮大なパワーを感じる。“沖縄”という言葉だけで片付けることのできない広大なパワー。

彼が目指しているのは、“無国籍音楽”。地域やジャンルにこだわらない“ワールドミュージック”。
今ではエイサーのみならず沖縄の代表曲にもなっている「ミルクムナリ」。島の口説(くどぅち)が使われていることもあり、“沖縄”の雰囲気を強く感じる曲だが、これもそう意識して創られた訳ではないそうだ。

「実は、僕の曲(ミルクムナリも含めて)というのは、全く琉球音階を使ってないんです。どちらかというと、あの曲は南米の民族音楽的な感じで。それが“口説”をのせることによって、沖縄のバランスが重くなったんでしょうね。もちろん、エイサーのイメージが強かったと思うんですけど」

「ミルクムナリ」はもともとエイサーのために創られた曲ではなく、彼が知らない内に、祭り太鼓が舞をつけて踊っていたそう。その演舞を初めて観た時のことをこう語る。

「『カッコイイなぁ』って素直に感動しましたね。自分の作品が新しく生まれ変わったみたいで新鮮でした。それに伝統的なエイサーに縛られることなく常に新しいものに挑戦しようとしてる姿勢、クリエイティブに人のやっていないことをやろうという姿勢。それが僕の音楽の方向性と全く同じで意気投合したんです。それで『いつか共演しよう』というのが実現して、付き合いが今も続いています」

今では祭り太鼓だけではなく、各エイサーのイベントにもひっぱりだこの日出克。「ミルクムナリ」は沖縄の代表曲として認知され、エイサーを語る時に必要不可欠なものとなっている。その世界に彼は今も曲を続々と送り続けているが、だからといって彼の“無国籍音楽”は変わらない。

「僕が作ってるサウンドは、ものすごく微妙なバランスでなりたっているんです。沖縄の要素と民族音楽的な要素、少し歌い方のニュアンスを変えると何かのジャンルにはまりこんでしまう。少し演歌っぽく歌えば“演歌”になり、ブルースらしくすればすぐにそうなる。ジャンルに偏らないように、全部をまとめたちょうど真中のところが自分の目指す音楽。バランスを保つのがとても難しいですよ。ギターの音を笛に代えるだけで、まったく違うサウンドになってしまうし」


八重山諸島・竹富島という芸能の盛んな場所で生まれた彼は、民族的な芸能の血がDNAに組み込まれているという。そこを基盤に創られてゆく“無国籍音楽”は、沖縄の伝統的な芸能「エイサー」をもワールドミュージックの一部にしているのかもしれない。これからもさらに枠を広げ、新しい世界を私たちに与えてくれそうだ。
ちなみに、今年の春に発売された3rdアルバム「月灯り」はその日出克サウンドが十分に満喫することができる一枚。
オフィシャルサイトでは視聴も楽しめます。

琉球國祭り太鼓
昭和57年に結成された太鼓集団。伝統的な「エイサー」をベースに、空手の型や独創性あふれる振り付けなど、ダイナミックな演舞が人気を集める。今や日本国内にとどまらず、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンなどにも支部をもつ。




もどる つぎへ




美ら島物語島人日出克
この記事に関するご意見・ご感想をこちらまでお寄せ下さい。