上手く唄うことは意識していましたが、それ以外はあまりなにも考えていなかっのかもしれません。母からもよく叱られましたね。伝えなきゃ伝わらないのよ! お客様が受け取ってくれなければ何の意味もないのよ、って。
そう言われながら、私はわかったようで、何もわかっていなかったんです。
収録が決まり、スタジオ入りした私はそれをまざまざと目の当たりにしました。
CD「琉歌」はBEGINのカバーアルバムということで、ユニットのメンバーも全員八重山出身者。しかもBEGINメンバーの同期生、後輩ばかり。
だから、八重山を愛して唄うBEGINの思いを自分達なりに伝えなくてはって、みんな一切妥協なんかしない。
こんなにも、こだわりながら、戦いながら曲が創られているなんて、思いもしませんでした。
唄を唄えばいいんだと思ってきた私でしたが、そのとき初めて母の言っていた言葉の意味がわかりました。伝えなければ、伝えきれなければ、全く何の意味もないんだって。
ショックとともに反省もさせられましたが、ただ、今回の収録を通して、私はたくさんのことに気づき、たくさんのものを受け取ることができたと思います。
弾いている、歌っているのではなくて、大切に創っている、大切に伝えようとしている。歌手になる私にとって唄うことは伝えることだって、はっきりとわかったのですから。
かおりはね、収録が終わってから唄に対する考え方が全く変ったね。一緒に唄っていても安心できるようになったさ、って母にも言われるんですよ。
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