「ヤマハのPOPCON九州大会に出た時に、ディレクターに僕だけ呼ばれたんです。それで、『南の島にこないかい?』って誘われて。最初は、一ヶ月の約束だったんだけど、その後九州に戻ったら、『後、一ヶ月頼むよ』って。それから結局半年。 最初は、小さくて、新聞だって朝届かない、民放も入らない島に戸惑いを感じて、『早く戻りたい』という思いが強かったけど、その半年を過ぎて九州に戻ると、今度は島の風景、オジイやオバアの笑顔や、島ののんびりと流れる空気が懐かしくなって…。年に一回は島に自ら行くようになってしまった。そうしている内に『やっぱり島がいい』ということになったのが移住のキッカケです(笑)」
ロビーコンサートを見させてもらったのですが、すごい盛り上がりで正直驚きました。 「ここでのコンサートは通常のロビーでやるものとは違います。みんな真剣に聴いてくれるし、楽しんでくれる。でもこういう形になるには随分時間が掛かりました。最初はやっぱり、ロビーの横の通路を通り過ぎる人ばかりで…。だから研究しましたよ。どうやったら皆が足を止めて自分の歌を聴いてくれるようになるか。三線も覚えたし、民謡も唄えるようになったし、MCも上手くなった(笑)。そうこう試行錯誤を重ねている内にだんだんお客さんが自分についてくれるようになって、今の形ができあがってきたんです」
沖縄本島から飛行機で石垣島まで約1時間。石垣からも高速船で30分掛かる小浜島。つちださんの歌が聴きたくてもなかなか来れないという人が多いんじゃないでしょうか? 「月に一度は内地(本土)に行ってます。全国各地を廻ってますよ。やっぱり『はいむるぶし』での活動はもちろん大切にしてるけれど、外にも出ないと島の良さを忘れてしまう。そこで新たな空気を吸って、小浜島に帰ってくる」 毎年東京のヤマハホールで行われるコンサートは、立ち見客も溢れるほどの人が集まるという。つちださんの創る詩は甘くて優しいものが多い。島ならでは、というMCは旅人にとって南の島を感じさせる効果もあるだろう。きっとそれは癒しを求めて島にやってきた人に大切な思い出になり、本土でも会いたいと思う。再び小浜島に来たいと思わせる。それがあのロビーコンサートに繋がっているのだろう。