| −よく、「クースを育てるなら甕に限る」といいますが、ボトルで熟成させてもクースになりますか? |
| 甕でもボトルでも熟成は進むよ。大丈夫だよ。ウイスキーは樽から出すと熟成が止まってしまうけど、泡盛は不思議な力があってね。瓶の中でも熟成し続けるんだよ |
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| −甕とボトルでは、同じような味になりますか? |
| うーん、それはならないねぇ。なぜかというと、甕の方が、どうしても熟成のテンポが速い。それにね、ボトルの方は、その泡盛本来の味で熟成していくけど、甕は甕のエキスと融合した熟成をする。そういう意味では、ボトルだとちょっと淡泊になるかな。でも、きれはいいよ。甕で熟成させると、深みがぐぐっとでてくる。 |
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| −甕が一番熟成に適しているといわれていますけれど。 |
| しっかり焼いてある素焼きの甕がいいね。焼き締めの甘い甕に酒を入れて何年もたつと、容器臭に負けてしまう。泥臭いというのかな。いい甕だったら、甕のエキスとアルコールと水とがうまい具合に混じり合って、とーっても美味しくなる。あまくてまろみもある、美味しいクースになるんだね。つまりね、琉球泡盛は琉球人と同じで、とっても正直な性格なわけ。美味しいクースを作るにはいい甕を選ばないとね。 |
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| −甕の中でも、南蛮甕が特に適しているというのは? |
| 昔、シャムからやってきた南蛮甕は琉球の人たちの生活必需品だったんだ。食べるものは全部甕に入れていた。穀物、味噌、豚肉、塩、種子…。何でも貯蔵容器は甕。50年甕に入れていた穀物の種を蒔いたらちゃんと芽が出たという話があるくらい、甕は保存に優れている容器なんだよ。あとは、不真面目かどうかだね。 |
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| −不真面目というと? |
| うん。壺っていうのは、大体最初はまじめそうに見える。ちゃんと保存してますよーって顔してるわけ。もちろん、ほーんの少し減ることはあるよ。欠減というんだけどね。それは問題ない。でも、化粧箱に入れていたのにいざ飲もうと思ったら空っぽだった、という話がある。もれる壺っていうのは、壺が酒を飲んでしまうんだね。そういう壺は、「うふそー(※)つぼ」とでもいうかなぁ。(※おっちょこちょい 想が抜けていること) |
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| −焼き締めが甘いとか、きちんとしたとか、漏れないとか、どうやって見分けたらいいのでしょう? |
| しっかり焼き締めてるというのは、登り窯で高温でゆーっくりゆーっくり焼いたかどうかということなんだよ。そうだね、壺の専門家に聞くのが一番かね。大体、いい甕かどうかは3年たつと分かるね。焼き締めが甘いと、容器の臭いに負ける。
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| −振動を与えるといいというのは本当ですか? |
| 一週間に二回くらい揺らしてあげるといい。振動を与えると、入れ物の中で喧嘩しているアルコールと水が不思議と混じり合ってくるんだね。アルコールと水とはとっても仲が悪くて、反発し合ってる。それが、振動を与えることで沈殿物が動いて、熟成が進む。よく、「クースを寝かせる」という表現をする人がいるけど、僕はあんまり好きじゃない。ただ寝かせているだけじゃ、美味しくはならないんだよ。 |
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| −よく泡盛に音楽を聴かせたり、深海に沈めると熟成が早くなると聞きますが、真相はどうなのでしょう? |
| 海の中はどうか知らないが、音楽を聴かせるというのは、音楽ではなくて音が生む振動を与えてるというわけ。振動を与えたほうが早く熟成するのは本当だよ。深海はそうだね、波で揺れるからそれがいいのかな…。こればっかりはわからないね(笑)。
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| −原酒の選び方でも気をつけることってありますか? |
元のお酒は何でもいいよ。低い度数はちょっと水っぽい、あっさりした味になるから、馥郁(ふくいく)とした、いわゆるクースの風味と芳香を味わいたいなら、度数の高い方がいいね。
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