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海人紀行
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第2回 伊良部島 vol.1

アギャーシンカ(アギャー漁をする人たち)は合計24名。朝、といってもまだ、真っ暗闇。日焼けした顔は闇に紛れ、識別できない。母船と4隻のサバニに、それぞれに必要な道具、人員を載せ、出航する。

池間大橋をくぐり、大神島から朝日が昇っていく。私が乗った母船は遅れて漁場についた。4隻のサバニはすでに、何か捕っている様子だ。遠くて分からない。母船に乗っている内間さんに話しかけたが、まるで言葉が分からない。宮古方言を私はまるで知らないのだ。

後で聞いた話、今の時期は、カツオのえさ(生き餌)をまず捕るのだそうだ。宮古島はカツオ漁の盛んな地域である。カツオ漁操業中の4〜9月、アギャーシンカは、ミジュンやグルクンの稚魚などの生き餌も捕るのだ。

4隻の船の動き、それぞれの役割分担、仕事の流れ、水中では何が起こっているのか? まるで分からず。海底の袖網、袋網の位置を確認して、私は邪魔にならないポジショニングを選び、潜ってみることにした。

海人達がつけているタンクは、むき出し(つまりBCが無い。直接タンクを背負う形)。そしてゲージもない。私は、自分のBC、レギをしっかりチェックしてから、海に飛び込む。

朝日に照らされる船
むき出しのタンクで潜る海人

真っ青の世界と光のシャワー
袋網の中の魚の群れのシルエットが美しい

真っ青の世界。下を見下ろすと、深い。間違った場所へ流されると、元の位置に泳いでたどり着くのは困難だ。潮上から海に下りた私は、潮の流れに乗り、目的地(袖網と袋網の境目)にたどり着けるよう、フィンを蹴る。

誰もいない、何も見えない、海中(水深20メートルくらい)で、待つこと数分。自分の呼吸の音だけが聞こえてくる。

遠くに、白い空気の泡が見えてくる。ダイバー達が吐く無数の泡だ! ヒラヒラする脅し棒の手前に、グルクンの大群が浮かび上がる。あっという間に、袖網、袋網のつなぎ目にいた私のポジションを追い越した。私は、シャッターを切り身体を180度方向転換する。袋網の外から、ダイバー、魚の群れにより近づこうと深度を落とす。袋網の口は魚が逃げないように上向きに、そのまま引き上げられていく。網の下に回り込むと、大きな袋網の中の魚の群れが、シルエットになり美しい。天井から光のシャワーは、水深40メートルの世界に降り注ぐ。


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