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海人紀行
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第2回 伊良部島 vol.1

船上に上がると、袋網は、1隻のサバニに引き上げられていた。後、母船が隣付けして、グルクンをすくって魚倉に入れ始めた。
ばしゃばしゃいう、魚群を横目に、他のサバニは、次の群れを探し始めている。
この日は、グルクン捕りに、2回。ジャコ捕り(カツオのえさ)2回、網を入れた。

水中の仕事は、色々ある。「魚影を探す」「海底に網を海中で設置する」「魚を追い込む」「網を回収する」
脅し棒で深場の群れを追い込むダイバーの他に、甲板と呼ばれる人たちがいる。水面下を潜り、脅し縄(シルチカ)を使い、4メートルほどの縄の前端には、重りがついていて、途中につけられたヒラヒラによって魚を誘導する。水中のポジションによって疲労度合いも大きく違うが、多い人は、1回の漁で、少なくともボンベ2本〜3本。一日3回の潜水したとすると、6〜10本と潜ることになる。とてつもない労働力だ。

母船が一隻のサバニに隣付けして、グルクンを魚倉へ移す

時間で拘束されない海の仕事を選んだ海人たち
アギャーシンカの平均年齢は、62歳。彼らの力は、どこから沸いてくるのか?

帰りは、自分の機材・荷物は母船に残し、サバニに乗せてもらった。サバニは飛ぶように速く走り、30分以上も早く港へ到着するからだ。「なんで海なの?」と海人に質問すると、笑いながら「海はやった分だけ(お金が)入るからね。」仕事はきついが、気持ちが楽だという。時間で拘束されるのは、嫌だと。これは私も一緒で、よーーーく理解できる。やってナンボ。いつも崖っぷち。(笑)

でも。集団漁労であるアギャーは、後継者がいなくなれば続けられない。アギャーシンカの平均年齢を計算してみると、62歳。40代若手が、平均年齢をぐっと下げているが、60代、70代のオジィ(海に出ると、とてもそうは呼べない)がするには過酷に思える労働だ。

スキューバボンベを使用した、近代的な漁法と思っていた私の偏見は、まるで違っていた。漁探を使用しても、自身が潜り、確認する。潜り長の漁場選定、統率力、そして各自の潜水能力、すべて人力による結晶なのだ。

彼らの力は、どこから沸いてくるのか? 海人達と接するたびにいつも気になっている。


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