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海人紀行
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第2回 伊良部島 vol.1

佐良浜の海人

島の朝は早い。朝5時。まだ月の光が明るく感じる頃、「キーッ」と自転車のブレーキの音、原付バイクのエンジン音が聞こえてくる。

宮古島本島から、8キロほど離れた海上に浮かぶ「伊良部島」。島の人々は、伊良部島と、すぐとなりの下地島2つの島をあわせて「伊良部」と呼んでいる。
わたしは、沖縄の追い込み網漁で最大規模の「アギャー」を撮影するために島を訪れた。
県魚である「グルクン(タカサゴ)」を捕獲する、潜水による追い込み網漁で、かつては沖縄本島の糸満を始め、本部、伊江島、八重山などでさかんに行われていたが、現在恒久的に操業されているのは、伊良部島の佐良浜だけになってしまったと言う。

夜明けの海。島の朝は早い。

島へ渡ると、漁協の建物下でとれたての魚を販売している様子がうかがえた。「取り合えず、人のいるところへ行こう!」何の情報も持っていない私は、色とりどりの魚を選別しているおばさんに話しかける。彼女は、山口さんといって、水揚げされた魚を選別、販売している仲買のおばさんだった。


色とりどりの魚を選別する山口さん

「何しに来たかー?」「漁業関係の写真を撮っています。」
そういって過去に撮った写真を数枚見てもらい、説明すると、島の海人について少し語ってくれた。
アギャーはもう1グループしかやっていないこと。島で捕れた魚は、ほぼ、島内消費されること。

アギャーの潜り長と連絡を取り合い、翌日、海に連れて行ってもらえることになった。ロケハンのつもりだったが。

追い込み網漁とは、海底に設置した、袖網、袋網に向けて、脅し棒や綱をつかって、魚を追い込んでいく漁法。使用する道具、人員、規模により、アギャー、パンタタカー、チナカキヤーなど、様々な呼び方をする。
少人数による、よく知った海での追い込み漁の経験はあるが、宮古島周辺の深い海で、どこに行くのかも分からず、それでも、不安にならない私は、やはり何処かねじが足りないのだなぁ、という事だけは理解できた。


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