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布を巡る旅 文・のなかあき子
目次
沖縄本島・豊見城 紅型(びんがた)
沖縄本島・読谷 読谷山花織
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宮古島・宮古上布
石垣島・八重山上布
与那国島・与那国花織




沖縄本島・豊見城 紅型(びんがた)

蝶に蘭、ゴーヤなど南国の花鳥風月が大らかに描かれた帯やタペストリーが並んでいた。

豊見城公園を後にした後は、ウージ染めの工房を訪ねたり、どこまでも続くような一本道を歩いたり。足のおもむくままに歩き回った。午後になると、さすがに暑さと疲れに頭が朦朧。休憩できる日陰を求めていたら、気付かず亀甲墓に入ってしまった。どこからか現れた機嫌が悪そうなニワトリににじり寄られ、逃げだした。本当の木陰 を探しているうちに、紅型工房に到着した。


高台にある工房の中では、白く長い布がごく静かに揺れていた。ゆったりとした仕種で作業するお弟子さんの女性達。会話が生まれると、さざ波のような笑い声が流れだす。白砂の海辺、その木陰のような爽やかな空間。
穏やかな声音が印象的な、伊差川洋子さんが迎えて下さった。


白く長い布がごく静かに揺れていた。

伊差川洋子さん

那覇の久茂地出身、工房を開いて25年になる。東京で学生時代を過ごしてそのまま染色デザインの仕事をしていたが、沖縄の本土復帰を機に故郷へ戻ってきたという。以来、沖縄の伝統の一端を担い続けている。
階上のギャラリーへと案内してもらう。蝶に蘭、ゴーヤなど南国の花鳥風月が大らかに描かれた帯やタペストリーが並んでいた。

「これは『筒引き』で描いたものなんですよ」 着尺は『型置き』という技法が使われる。模様を彫った型紙の上から糊をおいて、防染してゆく。『筒引き』は筒に入れた糊で直接模様を描きながら防染するので友禅よりも太い筒を使うので、くっきりと大胆な印象だ。輪郭の白も際立ち、逆光の下の植物のよう。

模様を彫った型紙の上から糊をおいて、防染してゆく『型置き』という技法
印象的な桔梗色の地色に蘭が描かれた帯。 特に印象的だったのは、桔梗色の地色に蘭が描かれた帯。透け感のある生地が、窓から射し込む光を涼しげに通す。見とれている間に、伊差川さんが奥の畳敷きのスペースに幾つかの着物を出してくれていた。
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