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県庁前からバスにゴトゴト揺られること数十分、豊見城市にやってきた。
バス通りは車の行き来が激しいし、少し路地に入っても住宅が並んでいる。戦前は純農村だっ たというこの地は、今や那覇市のベッドタウン。
これから訪れようとしているのは、創作紅型を制作している伊差川洋子さんの染色工房だ。琉球松に芭蕉、さとうきび。沖縄に自生する植物をモチーフにした『おきなわ花暦』シリーズなどを生み出している。
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さて、紅型工房は首里に多い。伊差川さんは何故この地を制作活動の拠点にしているんだろうか。工房を訪れる前に、少しでもこの地の空気を感じてみたい。そうだ、
城址跡の大きな公園があるはずだっけ。
ちょうど走ってきたタクシーに乗り込んだ。
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「豊見城公園お願いします」
「えっ、こんな早い時間に行ってどうするの?」
首を傾ける運転手さん。なぜ不思議なのか理解できず、私も首を傾けた。
聞けば、 訪れる多くの人は夕方からオープンするビアガーデンが目的なんだという。
「暑いからねぇ。気をつけてねぇ」 |
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入場門から炎天下の下、公園の中を歩き始める。
行き交うのは整備や清掃の人ばかり。
散歩なんてしているのは私ひとり。運転手さんが驚いていたのも納得だ。園内には見なれない植物が並んでいた。
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幹の中程がプクッと膨らんだ『トックリヤシモドキ』。あばら骨が浮いている人の立ち姿のような『タビビトノキ』。誘惑しているように鮮やかな花々、血が通っているのではないかと思わせる妖艶な色の葉。孔雀の羽根を連想させる緑青色の池の脇に腰をおろす。
真っ青な空の下に広がる南国の『色の世界』を目に焼きつけた。 |
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