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布を巡る旅 文・のなかあき子
目次
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沖縄本島・読谷 読谷山花織
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与那国島・与那国花織




沖縄本島・読谷 読谷山花織(ゆんたんざはなうい)

「何十反織っても、次は『こういうのが織りたい!』って思えるのよね。飽きることがないの」

夢中で何かを造っている人が好きだ。心の向かう先はこれから自分が生み出すものだけ。

夢中で何かを造っている人が好きだ。心の向かう先はこれから自分が生み出すものだけ。
昭和62年にできたこの波平工房では、そんな地元の人が24名作業していた。村による研修を受け、技術を取得した人たちだ。
カジマヤー(風車)、ジンバナ(銭花)、オージバナ(扇花)。この3種の花柄を基本にして、30種類もの柄が花織にはあるという。これに格子や縞、絣や小さな文様を組み合わせて布は織られていくのだ。


「何十反織っても、次は『こういうのが織りたい!』って思えるのよね。飽きることがないの」
しっとりした藍地の着尺を織っているひとりの女性が声をかけてきた。一本一本の色糸の違いで個人の特徴が出るという。それぞれの色糸で生み出される、それぞれの花。

では、色糸はどこで生み出されているのだろうか。



それぞれの色糸で生み出される、それぞれの花。

ひとりの若い男性が糸染めの最中だった。

車はセンターに戻った。敷地内裏手に糸染め作業場が行われているという。
作業場を覗き込むと、ひとりの若い男性が糸染めの最中だった。発酵した藍、煮詰められる天然染料。熱と力が充満した空間。染めて間もない糸束が上から吊るされている。


織りの場が『静』ならば染めの場は『動』。花織が可憐でありながら力強さを感じさせるのは、このような過程を経ているからかもしれない。
黄色のフクギ・ベージュの椎の木・赤茶のグール……道路の拡張工事現場から山林の中から、天然染料はお金をかけることなく手に入れられるという。
「しかもね、無駄にならないんだ」
色素を出し終えた天然染料は、焼物の上薬として利用することができるのだという。
色素を出し終えた天然染料は、焼物の上薬として利用することができるのだという。
 
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