美ら島物語
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布を巡る旅 文・のなかあき子
目次
沖縄本島・豊見城 紅型(びんがた)
沖縄本島・読谷 読谷山花織
久米島・久米島紬
宮古島・宮古上布
石垣島・八重山上布
与那国島・与那国花織




久米島・久米島紬

『今』は前へも後ろからも続く道の上にある。伝統工芸に関わる人々は、どのような気持ちで『今』を生きているのだろうか。

黒い海。
飛行機が久米島に近付いて、窓から海を
眺めていた。
空の色を映し出した、珊瑚礁が透けて見える海、爽やかな青のグラデーション。
そんな沖縄の海のイメージを覆す色だった。
 
那覇から30分弱。機内サービスのコーヒーが冷める間もない久米島への空の旅は、
今回の離島への旅の最初の一歩だ。
その後は宮古島、石垣島と続く。
黒い海。飛行機が久米島に近付いて、窓から海を眺めていた。
美ら島きっぷ』は魅力ある布の里を結んでいる。
窓の外に見える漆黒の海は、鮮やかに咲き誇る花々や透明感のある
海の色とは対照的な深淵な色。
光と闇のように、どちらも確かに沖縄の色なのだろう。



着陸が近付くに従って、海の色に変化が起きた。
藍色、紫、オレンジ、黄色……虹の七色。
深度と、海中の生態系と、そして空。
黒い海は、多彩な色によっておりなされた色だった。
着陸後、空を見上げる。厚い雲が空を覆っていた。
爽やかな季節から間もなく梅雨へ。沖縄の季節の境目に、今立っている。


久米島は、日本の紬の里と呼ばれている。

久米島は、日本の紬の里と呼ばれて
いる。王朝の御用布として、薩摩藩に上納する貢納布として、過酷な歴史の中を歩んできた久米島紬。
読谷花織と同じく、久米島絣も大平洋戦争で一度はその歴史は途絶えてしまったが、戦後復興を果たした。


『今』は前へも後ろからも続く道の上に
ある。伝統工芸に関わる人々は、
どのような気持ちで『今』を生きているのだろうか。

薩摩藩に上納する貢納布として、過酷な歴史の中を歩んできた久米島紬。
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