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遥か昔、テレビで知った遠い国の海の色。
この世に実在するとは思えなかった海の色。
目の前に広がる川平湾は、空想の中の楽園のよう。
真っ白な砂の上を、透き通った海水が撫でるようによせてはかえしていた。 |
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宮古島から石垣島へ。
ずいぶん遠くへやってきたなぁ。パスポートがいらないのが不思議なくらいだ。
桃源郷のようなこの島にも、ごくあたりまえの日常がある。
自転車を借りて市街地を走れば、大型スーパーがあり子供達が走り回る学校があり、ごく普通の生活時間が流れている。なのにどうも信じられないのは、楽園と日常が結びつかないからだろうか。 |
碧い海の粒子が混じった空気を吸いながら、自転車をどんどんこぎ進めて石垣市伝統工芸館へたどりついた。
この島の染織はどんな風合なんだろう……。
女性の暖かな笑い声と、機織りのトン、トンという音がどこからか聞こえてくる。
階段を昇り展示室へ向かうと、清々しい白の着尺が目に入ってきた。
潮風がそのまま布地になったような。
地上に降りてきた太陽の光のような。
天女の羽衣はこんな感じかもしれない。
柔らかな茶色で織り込まれた絣模様は、なにかの暗号のようにもみえる。 |

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