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「自分の島に、こんな工芸品があったんだって驚きました」
石垣市織物事業協同組合の理事長、松竹喜生子さんが八重山上布のことを知ったのは、成人近くなってからだったという。
高校3年間を本島で過ごし、木工から焼物など、いろんな工芸を勉強した。
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さて、どの方向へ進もう。そんな時に郷土に伝統工芸品があることを初めて知った。
「地元にこんな素晴らしい物がある」八重山上布の世界へ入ることを決意した。

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八重山上布は糸の材料から染料まで、すべて島に自生する植物から産み出される。
作業は糸績みから始まる。宮古上布と同じく苧麻(ちょま)を細く裂き、丁寧によりあわせていく。績み手の平均年令は80才、後継者が欲しいがすぐに育つわけではない。
全行程の中で糸績みだけ分業で、図案から染め・織りまでひとりの手で行われる。
「作品を見ると、誰がつくったのかわかるんです。その人の心の状態とかすべて見えてしまうんですよ」
長年八重山上布に関わってきた松竹喜生子さんはそう語る。 |
麻の地に優しく浮かび上がる絣模様の焦茶色の原料は、日本では八重山にしかない植物・紅露(クール)。山の中に自生していて、大根おろしですりおろす。
紅露で染められた部分は最初は茶色いが、日に晒すことによって焦茶色に変化する。 |
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多くの植物染料は色が褪せてしまうのだが、紅露は南国の日射しを浴びて、さらに深みのある色に発色するのだ。日に晒すのは約10日。その間に1度でも雨にあたってしまったら最後。商品として日の目を見ることはない。 |
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