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一期一会 in 西表島
「そろそろ、行くさー。上がってってばー」
船長さんの声だ。誰かが声をかけないと、いつまででも泳げてしまいそうだ。気が付くと、1時間が経過していた。太陽が真上にある。もう、お昼だ。船は少し移動して、ランチタイムとなった。
「ここで2時間ノンビリしましょう。お昼を食べ終わったら、向こうの無人島まで泳いで渡りましょうね」 甲板に出て、用意されたお弁当をほうばる。外でご飯を食べたのは久しぶりだ。それだけでご飯が美味しい。冷たいさんぴん茶をゴクッ、ゴクッと飲みほす。体中にひんやりと染み渡ってくるのがわかる。フゥー。
「どちらから来たんですか?うちらは北海道からなんですよ。大雪山の麓で民宿を経営しとります。いやー、山は雪が残ってますから、まだ寒いですよ。それに比べてここは楽園です」
ツアーに参加している年配のご夫婦が声をかけてくれる。
「私は九州からです」と、1人で参加している女性。30代くらい、だろうか?
「お一人でいらしたんですかー?」
「はい、私は沖縄の海が好きで好きで、よく1人で来るんですよ。いい歳になってからダイビングの楽しさを知ったので、もうハマっちゃって。お給料、全部つぎ込んでます」
「あー、わかるなー。うちら夫婦も去年初めて西表に来て、こんな天国みたいな所があったんだなーって、もうハマっちゃいましてね。夢は、西表に引っ越して民宿を始める事なんですわ。この歳になって夢が出来るなんて、思いもしなかったですよ」
みんなニコニコとしている。これだから、旅は楽しい。旅先で出会った人たちとの触れ合いが、帰った後にも暖かく心の中に灯りつづけるからだ。
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