美ら島物語
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西表の朝、早起きは3000000000文の得

…トンカン、トンカン。トンカン、トンカン…。
―――ん、何の音だろう?こんなに朝早く…カナヅチで、なんか叩いてるような音がする……。
カーテンから差し込む光に目を細めながら、外を見渡してみる。すると、3軒先の家の屋根に人が乗っているではないか!?

なんだ、なんだ?家の周りには大勢の人々が集まって、屋根を見上げている。野次馬根性旺盛の私は窓を開けた。ムッっとした暑い空気が入ってくる。沖縄の、朝だ。何の騒ぎだ?と思って眺めていると、おおっ!屋根の上に登っている男の人が“バラバラッ!”っと何か白いモノを宙にばら撒き始めたではないか!?下に集まっている人はみな、それをキャッチしようとしてにぎわっている。特に子どもたちはキャーキャー笑いながら、白いモノを拾い集めている。なんなんだ、この光景?

「グォォォオオオオ〜ッ!」
…腹、へった。なんで?昨日、夜あんなに食べたのにぃ…。東京にいる時は、朝からお腹すいたりしないよなぁ。こんな健康的な自分もちょっとイイな、なんて思いつつ、すっかり目が覚めてしまった私は、食堂へ降りた。
「おはよーございますぅ」
「おはよー。早いね、今朝は」
と、おかみさんが朝食を運んできてくれる。

いっただっきまーす。…あ、そうだ、3軒先のおうち、大勢人が集まって何やってるんですか?」
「ああ、“棟上げ”さー。引越し祝いしてるんさー、あのお宅は。西表では引越しして新居の屋根に瓦やトタンを乗せる時、“おかいもち”といって、餅の中にお金を入れてご祝儀として屋根から撒くのよー。福を呼び込む、昔からの慣わし。今はお餅でなくて、お菓子や¥100〜¥500くらいを紙に包んで投げるのよ」
へー、そぉなんだー。厄払いかぁ。古くからの風習が、今もなお受け継がれているのね。先祖の残した古くからの言い伝えやお祭が、ここ西表ではきちんと受け継がれ、敬われている。西表の人たちの信心深さは、傍で見ていてとても美しいと思う。その美しさが、日常生活のところどころに見え隠れする。

せっかく早起きしたので、私は散歩に出かけることにした。だって、今日は3日目。そう、2泊3日の旅の最終日なのだ。

 
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