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西表の朝、早起きは3000000000文の得
集落を抜けたところで、思わぬ人(?)と遭遇した。ヤギだ!「うわー、美味そう!今日はヤギ汁!?」と思ったら、村の人が飼育しているおとなしいヤギだったので、やめた。 ヤギくんが、ジ―――ッとこっちを見ている。あんまり見つめられて、私も、ヤギくんから目をそらせない……。うっ、ど、どうしよう、間が持てん…。 そうしたら、なんと、ヤギくんがニカーッと笑った!!! うそぉー!キャー!カワイイ!(写真にご注目。本当に笑ってるでしょ?) 西表ではヤギも人なつっこいのか、と思いつつ進むと、ある家の庭に見事な蘭が咲いているのに目を奪われた。うわー。綺麗……。「あー?あんた、花が好きねー?ちょっと中入って、見ていったらいいさー」 思わず見とれていたら、家のおじぃが声をかけてくれた。お言葉に甘えて、お庭にお邪魔させてもらうことに。庭には緑がフサフサ、ボウボウと生い茂り、花が咲き乱れ、まるで小ジャングル状態。“西表流ガーデニング”って、野性味たっぷりな感じなのね。 |
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「これはね、“イリオモテラン”といってさ、西表の珍しい蘭でね。これがお母さん、うちに咲いてるこれが元株なの。きれいでしょー?」奥からおばぁも出てきて、うれしそうに蘭を見せてくれる。 そうか、今、西表に咲いている“イリオモテラン”は、全てこの株から分かれていったんだ。すごいやー。 「 へーっ。…でも、蘭って手入れとか大変なんですよね?」…とは言ってみたものの、こんなに貴重な元株なのに、なんと庭の他の草木同様、地面に直植えされている。 特に温室に入れるとか、別に鉢植えし直して保護するとか、全くしていない。西表では、蘭もダイナミックなのだ。 「わしは、もぅー腰が悪くなってからさ、どーにもつらくて手入れが思うようにできないさー。でも、この蘭を見ているだけで、毎日幸せさー。庭で、こうしてこの子眺めているだけで、幸せいっぱい。この蘭を譲ってくれと言う人がたくさんいるけど、これだけはわしの宝物さー。他のなーんも、代えられないさー」 ……なんで、おばぁ、こんなにキレイなんだろう?瞳が、キラキラしてる。大人なのに、子どもみたい。 おじぃは少し離れた縁側に腰かけ、ニコニコしながらおばぁを見ている。 蘭もキレイだけれど、私はおばぁのキレイさにクギ付けになった。キレイな花と一緒に暮らしていると、人間もこんなにキレイになるのかな。あ、逆か、心のキレイなおばぁが育てると、キレイな花が咲くのかぁ…。 なんだか、朝から心がフサフサ、ぽかぽか、幸せな気分だ。 おじぃが、「裏で飼ってるヤギも見ていきなー」とニコニコと言うので、ゲッ、美味しそうなあのヤギはこのご夫婦が飼っていたのか、と申し訳ない気分になり、お礼を言ってそそくさと庭を離れた。 |
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(2001.08.06掲載) |
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