美ら島物語
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宇宙からの使者、ジャングルに生きるヒカゲヘゴ

散歩から帰ると、小浜さんが大きなトランクを、うんせ、うんせとレンタカーに積み込んでいた。…そーか、今日は旅の最終日。荷物をまとめて、宿を出るのだ。そういえば昨日の夜、シュノーケリングでメロメロに身体が疲れているのも忘れて、調子に乗ってオリオンビールを「ク―――ッ!」と飲みほしてしまった私は、あっという間に“びーちゃー(酔っ払いのこと)”化し、「バッタリッ!!」と、気絶するかのごとく眠ってしまったのだった。そういえば、薄れゆく意識の中で、「明日はマリユドゥの滝を巡るエコツアーに参加しますから、朝までに荷物、まとめておいて下さいね。や、安田さん?お〜いっ!…」という声を聞いたような気がする…。

「キャー!キャー!ウキャー!!」
と雄叫びながら着替え、荷物をかばんに詰込み、チェックアウト終了。のんびり屋の私にしては、過去最速のチェックアウトだったと思う。2泊お世話になった西表アイランドホテルのご主人とおかみさんが、見送りに出てくれていた。


ホタルが出る頃に、またおいでねぇ。1月くらいから“ヤエヤマヒメボタル”っていう小さなホタルが、星をまいたように飛ぶんさー。キレイよー。その時、三線、また聴かせてねぇ」
…ありがとうございます。必ず。

――ありがとう、しか、言葉が出てこない。あー、もう。ここで過ごした2日間が、1ヶ月にも2ヶ月にも思えてくる。
切なさに後ろ髪を引かれながら車を走らせる。この道も、もう2度と通らないかも知れない。この景色も、この風も、同じように感じることはないのだろう。時は流れる。人は、変わってゆく。人間の感覚ほど不確かなものはない。
だからこそ、生きてゆくのは楽しい。その時の自分が、感じて、考えること。それは変化して行くかもしれないけれど、私が今、西表で感じてることは確実に今、こうしてここにある。その瞬間に、そこで感じることが全て。めくるめく日々は、その瞬間の連続なのだと思う。失ったり、手に入れたりしながら、毎日を生きてゆく。

浦内川の遊覧船乗り場から出る9:30発のボートに、なんとか間に合い、乗ることができた。ボートといっても1日目のカヌーとは違って、今度は40人乗りのエンジン付きの船だ。

「みなさん、おはようございます。この船は浦内川を上流へ約8kmジャングルクルーズしながら、“軍艦岩”までまいります」
マイクを片手に、船長さんがマングローブ林の特徴など丁寧にガイドしてくれる。船長は、なんと女性。おおーっ、カッコイイー。 「女性が運転する船なんて、私初めて乗りました。珍しいですよねー?」と話しかけたら、 「あ?そぉ?あはは、関係ないよー。女の方が、運転上手いよ?」と、あっさり返されてしまった。
“船は男の世界”なんて固定観念、西表では吹き飛んでしまう。


 
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