美ら島物語
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海辺のレストランで最後の晩餐、そして、別れ

マリュドゥの滝から帰ってきたら13時を回っていた。15時の船までにはまだ時間がある。ということは、最後に何か腹ごしらえができるということだ、ヒヒ。海を見ながら食事が出来るという「レストランたかな」に、港から車を走らせた。 レストランは、街から外れた海沿いに、1軒だけひっそりとたたずんでいた。イイ感じだ。

「いらっしゃいませ〜」
中に入ると、うわー、海がすぐソコに!
 壁が全面ガラス張りで、海が一望できるんだぁ。これはカップルで来たらラブラブなレストラン?思ったが、周りを見渡すと年配の団体さんが多かった…。「レストランたかな」は広いため、団体のツアーバスが泊まるらしい。もしここで海を眺めながらゆっくりと食事をするなら、お昼時をちょっとズラしてくるとベターかもしれないな、と思いつつ窓際の席に腰かけ、さっそく注文することに。

メニューは、どれも西表の食材を豊富に使ったものばかり。ううー、目移りしてしまうなぁ〜。ここぞとばかりに自分の優柔不断さが爆発していまうー。よし。旅の終わりに、やっぱりシッカリ西表料理を食べて帰ろう。「西表祭膳」¥1.200に決定だ。
食事を待ちながらボケーっと海を眺めていると、また言葉が出ない。黙りこくってしまう。外ははらはらと小雨がちらついてきた。……雨降ってるのに、なんでこんなにキレイなんだろう、海。天気が悪いのにこの青さだもんなぁ、まいっちゃうなぁ。

最後の晩餐、ですね、小浜さん」
「…まだお昼ごはんですよ、安田さん」

「おまたせしました〜」
お、来た来た!

ふむふむ、古代米に天ぷらが4種類、ゴーヤチャンプルに焼き味噌、煮物などなど、か…。きれいな紫色をした「古代米」は、うるち米3合に対して西表の特産品黒紫米を大さじ1入れて炊き上げたもの。3日間の旅で3回食べたが、何回食べてもこの噛みごたえはおもしろい。弾力があって、噛むと口の中で「プチッ、プチッ!」とはじける。はじけた後噛んでいくと、もっちりむちむちしてきて、その差がまたおもしろい。もち米の意気のイイ奴、とでも言うんだろうか。

天ぷらは4種類だというが、見た目では何が何だかさっぱりわからない。とりあえず、1つ食べてみる。…なんだろ、これ?うー、知らずに食べちゃうんではもったいない!ので、忙しそうに働いているお店の人をムリヤリつかまえて、たずねてみた。

「あの、この天ぷらなんですか?中に黒いヒモみたいのが入ってる…
「ヒモ?…ブッ、それモズクさー、モズク」
「へっ?モズクって、あの酢の物にしてズルズルっと食べる、あのモズク?」
「こっちでは、モズクを天ぷらにするのは普通さー。おいしいよ」
へー、いろんな食べ方するんだなあ。確かに、美味しい。沖縄のモズクは太くてたくましいから、天ぷらにしてもコリコリと噛みごたえがあっておもしろい食感だ。

もう1つおもしろかったのが、ういきょう(ウッキョ)の天ぷら。ういきょうはヨーロッパ原産の薬草の1種で、臭い消しとして料理に使われることが多い。強烈な沖縄の名物料理「ヤギ汁」にも使われている。ハーブを天ぷらにしたようなもので、独特な香りがあり、このほろ苦さが身体に良さそうである。せき、フィラリア、腰痛などに効くんだそう。沖縄の料理はこれがおもしろい。何が出てくるかわからなくて、ワクワクする。「こんなモノを、こんな風にして食べちゃうの?」という意外性が楽しいのだ。普通のお膳に見えても、中身は十分変わっている。ああ〜、最後に西表の食を満喫できてよかったわ〜、とホクホク顔で食べていると、沖縄そばが運ばれてきた!


 
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