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海辺のレストランで最後の晩餐、そして、別れ


「…八重山そば頼んだんですか、小浜さん?」

「はい。昼はやっぱり、そばです。では、いただきます」
……そーか、やっぱり“うちなーちゅん(沖縄人のこと)”たるもの、1日1食はそばを召し上がるのね? かたや、私はバリバリの観光客メニュー。うっ、なんかそばが異様に美味そうに見えてきた…。くぁーっ。
…や、安田さん、1口食べますか? 目が恐いんですけど…
え? やー、本当に? じゃあ、お言葉に甘えて!

小浜さんがまだ少ししか食べていない八重山そばを奪い、ズルズルっとスープをすする。カツオだしのきいた薄いとんこつ味が、美味い〜。薄味で上品なのに、しっかりコクある。
特に八重山の麺は沖縄本島の太いちぢれ麺と違って、細くて丸い。「つるつるっ!ぷりぷりっ!」として歯ざわりがよく、私は大好きだ。八重山そばの美味しさを知ってしまうと、もう東京のギトギトしたラーメンは食べられないような気がしてくる。

小浜さんのそばを1口どころか半分以上食いらげ、あ〜満足満足、と一息ついていると小浜さんがスックと立ち上がった。
わっ、お、怒ったのかな?そばの怨みはコワイ…!?
「さ、安田さん、もう船の時間です。行きましょうか」
……あ、そうかぁ…。とたんに“東京に帰る”という現実が押し寄せてきた。帰るのだ、あそこに。

 
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(2001.08.08掲載)



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