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Christmas Story クリスマスの贈り物
窓から見える東京。 ここに出て来て、もうすぐ10年。

窓から見える東京。朝靄か何か分からないけど、底に霞んだ巨大な街。
ここに出て来て、もうすぐ10年。その間、何をしてきたんだろう。
恋もした。流行りものも一応クリアした。でも、毎日毎日、アパートの部屋と会社との往復。夜遅くまで仕事をして、お陰で、土日は睡眠と溜まった洗濯でおしまい。映画を見に行く元気もない。この街にしがみついて暮らしてきた。なんか最近は、株価とマンションの売り出し広告に目がいってしまう。

ケイとは女子高の同級生。彼女が東京の大学へ進学してしまい、音信不通状態。会社の入社式でバッタリ、ビックリ。
昔は地味な子だったんだけどなぁ。今は、見た目はバリバリのキャリア系、やること滅茶苦茶。いつも驚かせられることだらけ。それでいて、取引先や会社のみんなには好かれちゃうんだから、やってられないわよ。こっちはひたむきに仕事してるっていうのに。
まったく! なんで「親友」なんだろう。ただの腐れ縁ってだけじゃない。

そんなことより、あの子のオドシに屈して飛行機に乗ってしまった。会社へはどう言い訳しよう? それに・・・しまった! あの子の「約束」ってやつを聞いてしまったから、携帯は羽田のロッカーの中、どうしよう。一応、今日の午後の会議の資料は置いてきたけど。

つい聞いてしまった。石垣島に公衆電話はありますか?って。
到着口にありますよ、とスチワーデスさんは沖縄の太陽みたいに恵みの光が溢れるような笑顔で答えてくれた。何聞いてるのよ、私。そりゃ電話ぐらいあるわよね。
恥ずかしくて、トイレへ立つ以外、顔をずっと伏せていた。

と思ったら寝込んでしまったようだ。時計の秒針に追いまわされ、必死で逃げた。逃げても逃げても追いかけてくる。なんて夢のない夢。悪夢の素である腕時計を携帯と一緒に置いてきてやったから、祟られたのかな。

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(2003.12.24掲載)




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