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まだ8時過ぎたばかり。お盆の夜は始まったばかりのはずなのに、廻りにはすでに人だかりができていた。特に子どもの姿が目立つ。

しかも、獅子はすでに舞っている。それでも、別に焦る気持ちは沸いてこない。アンガマと同様、集落の家を何軒も廻るので、特に見逃した、という気分にならないのだ。のんびりアスファルトの上に座って見ていると、囲んでいる子どもたちが手を振りながら、何かを合唱というか言葉に出しているのに気づいた。

「れるれ、れるれ、れるれ〜♪」 何? あれはどういう意味なんだろう。気になって近づいて行こうとしたら、その声に誘われたのか、獅子がいきなり子どもに襲いかかり、押さえつけてしまった。それは、それはすごい迫力で、思わず私が悲鳴をあげてしまった。遠慮なんてない。

獅子の下からは、「うぉおおおお〜!」と男の子の叫び声が聞こえてくる。 なのに、ようやく獅子から解放されると、その子どもはすぐに平気な顔をして「れるれ、れるれ、れるれ〜♪」と再び唱え(?)だす。

いったい「れるれ♪」って何なんだ?さっきの子どもに訊ねてみると、「獅子に『僕を襲いなさ〜い』と言ってるわけさ」と言う。 なるほど。獅子を自分の元に呼び寄せているのだ。ついでに、「怖くないの?」と質問すると、「楽しいさぁ〜」との返事。これが楽しみで大勢の子どもたちが集まってくる。
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(2002.09.24掲載)




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