美ら島物語
けいさい予定 サイトマップ
美ら島検索
ホエールウォッチングのススメ

                                                文・写真 中村美絵(美ら島物語編集部)

座間味村のクジラ

 

もともと1950年には座間味島には800頭あまりのザトウクジラがいました。
しかし、すべて捕鯨されつくし、1962年には沖縄の海からはクジラがいなくなりました。

その後、1986年にザトウクジラ2頭を確認。
少しずつその数は増え、2007年は238頭のザトウクジラを確認することができました。
ホエールウォッチングが始まった当初から、座間味島ではクジラの個体識別を行っており、2007年時点で581頭が個体識別されています。
この個体識別によって、日々確認されるクジラの写真との照合ができ、それによって、そのクジラが新規に座間味島で確認されたものか、リピーターかが分かるのです。
ちなみに、今は、座間味島で確認されているクジラの約半分がリピーターのクジラです。


クジラと関わる人たち


ホエールウォッチング協会


協会の事務局の皆さん

 

大坪さん

座間味村ホエールウォッチング協会(以下「協会」)は1991年に発足して以来、座間味島のクジラを見守ってきました。
現在の協会の事務局員は5人、すべて内地出身者です。
私(大坪さん)は、ダイビングの目的で座間味島に旅をしにきたのですが、その時にホエールウォッチングをして、とても感動しました。
結局、座間味島の魅力が忘れられず、その翌年には移住し、そしてホエールウォッチング協会の仕事をするようになりました。
もともとクジラについて詳しかったわけでもなく、クジラについての勉強はそれから。
でも、クジラが好きだから、より詳しく知りたいという気持ちはありますし、そのための勉強は全く苦ではありません。
他のメンバーも人それぞれきっかけは違いますが、クジラの魅力に惹かれて集まってきたメンバーばかりです。

協会の仕事は、クジラが座間味の海から北へ戻れば終了です。
そのため、夏の間は事務局員も一時解散し、それぞれ別々の場所で別の仕事をしています。
ホエールウォッチングの船を出している船長も同じです。
冬はクジラに夢中になり、夏はダイビングの仕事をする人が多いです。
しかし、みんな心の中では、「あと○ヶ月すれば、またクジラが来るなぁ」と、クジラの季節を心待ちにしているのです。
すっかりクジラに心を奪われた人たちが、座間味島でのホエールウォッチングに関わっています。

これは勝手な想像ですけど、きっとこんなにクジラが好きな人たちが集まっているから、クジラたちも毎年座間味を選んでくれるんじゃないかと思っているんですよ(笑)。


理想のホエールウォッチングとは

毎日クジラポイントを教えてくれるボード

 

ホエールウォッチングへ出発前のレクチャー

 

ガイドさん

 

ホエールウォッチング船

ホエールウォッチングでは、お客さんが楽しめることも大切ですし、クジラにとってやさしいことも大切です。
この2つが両立することが理想のホエールウォッチングだと思います。

まず、お客さんがウォッチングを楽しむために、朝、展望台からの観測でクジラのポイントを見つけ、ウォッチングの時にクジラにできるだけ早く出会えるようにしています。
目的地に一直線であれば、移動時間の短縮になるので、船酔いも少なくてすみますし、クジラを見る時間を十分に取ることができますね。
さらに、クジラについてもきちんと知っておくことで、ウォッチングがさらに楽しめるように、乗船前に簡単なクジラの生態についてのレクチャーをし、さらには船にもウォッチングガイドを同乗させるようにしています。
ウォッチングガイドの育成もこれからどんどん行い、すべてのウォッチング船にガイドを同乗させることができるようにしたいです。

クジラにやさしいウォッチングを行うために、クジラと船の距離や、クジラにストレスをかけないようエンジン音をかけずにクジラに近づく、親子クジラにはなるべく近づかないなどの自主ルールを定めています。
同じようにホエールウォッチングをしている小笠原の自主ルールよりも厳しくしてあるのですが、これは、いつまでもクジラが安心して座間味の海で冬を過ごせるようにするためです。

このようなウォッチングのルールについては、お客さんにも理解してもらわなければなりませんが、今では、お客さんの方もクジラをより近くで見るために船で追いかけたりすることは、良くないと考える人が多くなってきています。
ただ、残念なことに協会の自主ルールのため、強制力はありません。
ホエールウォッチングを行うすべての船が、クジラにとって優しいウォッチングを理解してほしいと思っています。

こうして、クジラにやさしいウォッチングを続けていれば、沖縄の海にこれからもたくさんのクジラが訪れてくれると思います。
そして、そのことで、座間味島を訪れるお客さんにとっても、クジラとの出会いの確率が高くなり、より楽しいウォッチングができるようになるのです。

 

大好きな座間味島

もともと座間味島は夏場のダイビングが盛んで、冬になると訪れる観光客も少なく、寂しい島でした。
ですが、約20年前に再びザトウクジラが座間味島の海に来るようになり、ホエールウォッチングという冬の島の楽しみができたのです。

ホエールウォッチングは座間味島にとってはとても大切な観光資源です。
ですから、これを生かしてより多くの人に座間味島を訪れてほしいと思います。
私たちの協会では、クジラに関連したイベントやワークショップなど、ホエールウォッチング以外でも座間味島で楽しく過ごせることを企画しています。
私たちは、クジラも大好きですし、座間味島も大好きです。
ですから、きっかけはダイビングでもホエールウォッチングでも、それ以外でもいいのですが、座間味島のファンになって、何度も座間味島に来たい!と思ってくれる人を増やしたいです。

クジラもたくさん来て、訪れる人もたくさん来て、そして座間味島がもっと元気になればいいですね!

座間味港のクジラ

 

港に浮かぶクジラのオブジェ

 

前へ ホエールウォッチングへ




美ら島物語美ら島情報慶良間諸島ホエールウォッチング
この記事に関するご意見・ご感想をこちらまでお寄せ下さい。