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島の学校@久米島 体験レポート
 久米島紬のおはなし
久米島紬は国指定無形文化財に認定されている。繭(まゆ)から糸を紡ぎ、草木染めをして、織り、仕上げまでの全製造過程をひとりの織り手さんが長〜い年月をかけて行う。

久米島紬は紬糸(絹糸)からできている。ここユイマール館では養蚕技術の保持・継承のために、蚕の飼育を始めたそう。糸を紡ぐところからのスタート。デザイン→染色→織機のセッティング→織り・・・と、大変な手間と時間がかかっている。お気軽に体験できちゃうけど、この前段階があってこその体験なんだなぁ。


 おかいこさま
 

今回飼育している蚕は孵化したばかりの5,000頭。うんと小さい時は、柔らかい桑の若葉を選び、さらに体長程度の大きさに細か〜く刻んでからやっと与えるんだとか。3時間ごとに新鮮な桑の葉を与えてもらう。たくさん準備しても、糞やおしっこで汚れてしまうから、こまめに取り替えてもらう。その成長をあたたか〜く見守られている蚕たちは、まさに「おかいこさま」だった。

蚕が吐く糸の長さは1,000〜1,500m。層が厚く、きれいな繭は繭生糸になる。層が薄くて汚れているものは真綿になる。へぇ、たて糸とよこ糸は同じ繭からできるのに作り方が違うんだ。丁寧に育てると、意図の質がだいぶ上等になるんだって。糸の強さが違うんだとか。さすが紬発祥の地・久米島。おかいこさまの育て方からこだわっているんだなぁ。



織り手さんたちは何をしているんだろう?真綿作りだって。
2時間も煮て柔らかくなった繭を広げていく。
うずらのたまごくらいの大きさの繭が、びよ〜んと30cm四方くらいの大きさに伸びていく。
透明感のある光沢がきれい。これを何枚も重ねてやっと真綿になるんだって。
わたしがやったら破いちゃいそう。


 染 色
 

久米島紬の染色に使う材料は、すべて島に自生する植物。車輪梅(ティカチ)、泥(媒染)、ヤマモモ、ナカハラクロキ(グルボー)、オオハマボウ(ユウナ)、サルトリイバラ(グール)など。
染めに使うのはお風呂みたいな大きな鍋だ。
そして、鍋のまわりには染めの材料となる草木がいっぱい。
木の皮や葉っぱはみな同じような茶色っぽい色にみえるのに、染め上がったら黒褐色・赤茶色・灰色・黄色・鶯色などいろんな色に変化する。
黄色いゆうなの花は、染めあがりが灰色になるんだって。
(黄色の花のまま使用せず、炭にしてから染めるため。)

ヤマモモだってナカハラクロキだって、名前からしてピンクや黒になりそうでしょ?
それなのに2つとも黄色なの。不思議。
自然のものだから、1度では好みの色に染まらない。
だから何度も何度も染めを繰り返す。
染色だけで何日もかかるんだ。
天候や回数によって、風合いが変わってくる。
あぁ、また気が遠くなりそう。
ここでも職人技のすごさを実感。

 緻密なデザインと織り
 


方眼紙に書かれたデザイン画にあわせて、織機にかけられた糸・糸・糸。
デザインによってたて糸はところどころ模様の部分だけ違う色に染色されている。
この染色だってすごい手間ひまかかっている。
染めたくない部分はナイロンや糸でぐるぐる巻いて染まらないようにガード。
(染めるところと染めないところをしっかり分けるのだ。)
そしてまた、染めては乾かし、染めては乾かし・・・を何度も何度も繰り返す。


 キヌタ打ち
 
織りの説明をしていただいているのに、織機の横に置いてある杵が気になってしかたがない。
お餅を食べる時期だっけなぁ?なにか行事あったかなかぁ?なんて思っていたら。
この杵、実は久米島紬作りに使う道具の1つ。
キヌタ打ちといって、紬の光沢と風合いを出すためにこの杵で布を叩くのだそう。
持ってみたら、ずっしりと重たかった。

 展示資料館
 

わぁ〜、着物がいっぱい。
ちょうど「久米島紬重要無形文化財指定一周年記念コンクール」の受賞作品展示会が開催されていた。
昨日、反物ができるまでの工程を知ったばかりだから、色やデザインだけでなく、細かいところまで見入ってしまう。
小さい柄の1つ1つや職人技が光る織り目まで。
着物と一緒に受賞者の顔写真が。
1枚の写真と1枚の着物から、想像がどんどん広がる。
体験する前だったら、きっと1着の着物の前で立ち止まり、あれこれ思いを馳せることもなく通り過ぎていたかもしれない。

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